サザエさん―面白い落ち(89)

 

トウモロコシのヒゲで、カツラは出来るか?

 

朝日文庫版42巻〔123頁〕・昭和46年

『豊満な奥様が、庭に出て、四っ目鍬を持って、庭の畑を耕しています。庭には犬小屋もあり、犬は、奥さんに関心も持たず、小屋の奥に頭を突っ込み寝込んでいるようです』

『その庭に、サザエさんが現われ、低い塀に両肘をついて庭を覗き込み、奥様に、「かだんですか?」と尋ねています。奥さまは、サザエさんの方に振りかえり、「イーエとうもろこし」と答えています』

『奥様は、鍬を投げ出すと、サザエさんのところに駆け寄り、畑を耕している理由を述べました。奥様は、「おくさまじつはネ・・・」と、そのわけをサザエさんに話し始めました。それは[畑を耕してトウモロコシの種を撒き、大きくなって実がなり、そのトウモロコシの実の一粒一粒のついているヒゲを集め、それを利用する発想]でした』

『奥様は、内緒よと言わんばかり口を押さえ、「百円カツラをこうあんちゅうなのよ」と教えてくれました。サザエさんは、意外な発案に、口をあんぐり驚いています』

 

またまた、カツラが出てきました。

百円カツラだそうです。

面白い発案です。

どの様に考案して、カツラにするのでしょうか?

 

庭に畑に、沢山のトウモロコシの種を植え、沢山の実がつくように育て、実の一つ一つの粒についているヒゲを集めて乾かし、茶バツに似たヒゲを収穫して、それを集めて、髪の毛のように整え、カツラを作るのでしょうか?

思ってみただけで面倒で、カツラには出来そうもない、と思いますが、奥様は、出来ると思っているのですから、やらしてあげればいいのですね!

 

しかし、カツラが出来るかもしれません。奥様は、上手くできると考案中のトウモロコシの百円カツラのことを、サザエさんに、バラしていいんのですか?

 

カツラが、上手くできるかどうかは判りませんが、その考案は、トウモロコシのヒゲで作った百円カツラとして、実用新案を出願申請するまで、他人に漏らさない方がいいかもしれませんよ。

 

奥様が、口を抑えて喋っても、サザエさんは、直ぐに

「あの奥さんはトウモロコシのヒゲでカツラを作るのを考案中だってさ」

と言い振らすに違いありません。

そうなると、奥様の考案は、公知になり、トウモロコシのヒゲでカツラを製造し、販売する独占権は、奥様のものとはなりませんよ。

 

しかし、トウモロコシのヒゲでは、残念ながら、カツラは出来そうもありませんね!

作っても売れないでしょう。