サザエさん―面白い落ち(54)
ヤキイモは、みんな好きです。でも食べすぎると太り、ガスが出ます。
朝日文庫版26巻〔11頁〕・昭和38年
『会社のオフイスで、マスオさんが午前中の仕事を終えたばかりで、ホッとして同僚と話をしています。同僚は、ネクタイを外して手に持っています。マスオさんもネクタイを外しているところです。マスオさんが、ネクタイを外しながら、「ネクタイをとりかえないか?」と言うと、同僚は「よかろう」とネクタイを差し出しました』
『マスオさんと同僚は、化粧室に行き、並んだ鏡の前に立っています。二人は、取り替えたネクタイを締めて、鏡に映る自分の姿を見ています。マスオさんが、「ちょっとしたことできぶんてんかんになるね」とまんざらでもなさそうに言うと、同僚も気分転換になっているようです。嬉しそうな顔をしています、』
『机に戻ったマスオさんは、近くの机で、まだ仕事している、綺麗な女の子の机の前に行くと、両手をついて体を乗りだし、「ねえ、おべんとうをとりかえっこしない」と囁いています。女の子は「いいわ」と承諾しました』
『マスオさんは、机の上に、紙包みを開き、中につつまれていた焼き芋を掴み、お茶と一緒に顔を赤くして食べています。開いた紙の上には大きなヤキイモがあと1個あります。ネクタイを取り替えた同僚とは異なる男が、マスオさんを気の毒そうに見ています』
ヤキイモ!女性だけでなく、男性も好物です。
ヤキイモネタは、今まで、[サザエさん]の中に沢山見てきました。
面白いものばかりです。
例えば、
往来で、和服を着て、胴まわりも大きくなってきた中年の裕福そうな奥様が、大きく膨らんだ着物の懐から焼き芋を落とし、慌てて拾っている姿を、サザエさんに目撃されるとか!
サザエさんのお父さんが、自動販売機でお金を入れたら、出てきたものがヤキイモだった。お父さんは、それを捨てることもできず、恥ずかしそうに電車に乗っている。
美味しそうな香の焼き芋を乗客の皆さんが見ているとか、
高層ビルの高い階にある、大きな事務室、そこに沢山のOG達が仕事をしている、と窓際のOGがビルの下の方を眺めて、事務服の上にコートを羽織った。
それを見た、事務室のOG達が「それ来たわよ」とソハソハしてビルを出て行く。
OG達がやってきたビルの下の道路には。焼き芋屋さんがいて、そこに沢山のOG達が並んで焼き芋を買い求めている、
などの美味しい焼きいものネタがありました。
焼き芋の自動販売機を見たことはありませんば、あったらいいな!
今日もそんなヤキイモネタの中の一つです。
マスオさんは、ネクタイの取り換えっこをしました。マスオさんの言うように気分転換になるでしょう。
物の取り換えっこ、これは、いいや、お昼の弁当も取り換えっこしてみよう。
サザエさんのお弁当は、毎日同じだ。
お昼になると、また同じと憂鬱になる。
ネクタイの取り換えっこでも、こんなに気分転換になるんだ。
憂鬱なも弁当も、たまには取り換えっこすれば、いい気分になるかもしれない。
あっ!あの子は、仕事を済ましたぞ!チャンスだ。
俺の想像では、あの綺麗な子は、毎朝早く起きて、美味しそうな煮物や卵焼き、ベーコンに、果物をまでいれて、美味しいお弁当を作っているようだ。
憂鬱なサザエのべんとうの代わりに。あの子の美味しい弁当をいただくぞ。
今日は、ネクタイも弁当も取り換えっこして、大いに気分転換をする日だ!!
弁当を取りださないうちに思い切って提案しよう。
「ねえ、おべんとうをとりかえっこしない」
と囁いていたら、
女の子は
「いいわ」
と承諾した。
しめしめ!
しかし、何だこの紙包みは、何だかごわごわしたものが中にあるようだ。
ざわざわと紙包みを開く、
ヤヤッああああああああ!
出てきたのはヤキイモだ。
昼からこんなものが恥ずかしくて食えるか
と思ってももう駄目だ、俺のサザエの弁当は、彼女が美味しそうに食べている。
仕方なく焼き芋を食べていると、回りの同僚たちが、同情して見ている。
同僚たち目は、男は会社で焼き芋を喰うのは止めろと言っている。
気分転換しようと思ったのに失敗した。
でも、かっては、女性の皆さんは、お弁当にするほど、ヤキイモが好きだったんですね、
今は、美味しくて綺麗なスイーツがいろいろとありますから、そちらを食べましょう。