サザエさん―面白い落ち(50)
アメリカ製ゴジラの映画を観に行こう!
朝日文庫版13巻〔60頁〕・昭和30年
『カツオ君が、ランドセルを背負って、友達と学校からの帰り道です。友達が、カツオ君に、自慢げに「ゴジラみてきた」とゴジラ映画を見てきたぞ、と話しかけてきました。カツオ君は、ただ「ふーん」と興味なさそうな顔をしています』
『家に帰るとサザエさんが平机の上にノートを拡げ、忙しそうに何やら書きこんでいます。そこへ、カツオ君が近づいてきて、サザエさんに「ゴジラにつれてってよ」とお願いしています。サザエさんが返事もしないので、ゴジラ、ゴジラと繰り返し、せがんでいます。カツオ君もゴジラの映画を見たかったのです』
『そこへ、ワカメちゃんも加わり、ゴジラ、ゴジラ、ゴジラ、ゴジラ、ゴジラ、ゴジラ、ゴジラ、ゴジラ、ゴジラ・・・と繰り返し、繰り返し、叫んでいます。サザエさんは、たまらず、ノートに何やら書き込んでいたのを止め、厳しい顔になり、両手で耳を抑え二人のどなり声が聞こえないようにしています。ワカメちゃんもゴジラの映画を見たかったのです。お兄ちゃんと一緒に叫びました』
『トウトウ、堪忍袋の緒が切れた、サザエさんは、スクーッと立ち上がり、頭、顔面から湯気を立て、大きく口を開き、「アジラにいって――」と恐ろしい形相でカツオ君とワカメちゃんを怒鳴りつけています』
ゴジラ!もう50年くらいも前ですか、日本初の怪獣ゴジラが誕生しました。
もちろん、当時、ゴジラ映画は見に行きました。
凄い、大きい怪獣だ。火を吐いて、東京の街を闊歩し、建物を踏んづけ破壊している。
凄い迫力でした。
怪獣ゴジラは、その後も、数々の映画に現れ、多くの悪い怪獣と戦ったり、子供まで作ったようです。
子供は、ミニラと言ったでしょうか?可愛い怪獣でした。
長男が、5歳くらいで、ミニラを見に行こうとせがむものですから、渋谷の映画館に行ったのを思い出します。
ミニラが、可愛い声で咆え、ピョンピョンと飛び跳ねると、大喜びでした。
近く、アメリカ製のゴジラの映画が、封切となるようですね、話題となっています。
日本初のゴジラより数倍も大きく、リアルで、威厳のある怪獣に進化しているような気がします。
見に行きたいので、孫に見に行こうかと言っても、乗り気はしないようです。
カツオ君とワカメちゃんのように、ゴジラ!ゴジラ!ゴジラ、見に行こうよとは言いません。
アメリカ産のゴジラは、いかにもヌイグルミの日本製ゴジラに比べ迫力がありすぎ、孫達は興味を持たないようです。
愛嬌のある日本製ゴジラの方が子供達には愛されるのかもしれません。
カツオ君とワカメちゃんが余りにも、ゴジラ!ゴジラ!と叫ぶので、サザエさんは、あちらにいってと言うのを、つい、アジラと言ってしまいました。
サザエさん製のアジラとは、どんな怪獣でしょうか?