サザエさん-車(26)
警察のお兄さんが風船を膨らませて貰ってるよ。私達も膨らませて貰おう。
朝日文庫版19巻〔43頁〕・昭和32年
『車が走って来ます。交通違反を取り締まっている警察官が、車の前に飛びだし両手を拡げて止めています』
『車は止まりました。運転していたオジサンは、窓を開けました。警察官が、オジサンに空気の入っていなゴム風船を渡しています。オジサンは、嫌そうな顔をして風船を受取っています』
『そのオジサンは、受取った風船に息を吹き込み、バスケットボール以上の大きさに膨らましました。警察官は静かに見ています』
『○○○○』
その後、『○○○○』で何が起こったのでしょう。
警察官は、運転していたオジサンが、酒を飲んでいないかどうかを検査するのですね。
こんな検査をヤッタことはありませんから判りませんが、どれ位の容量の排気を風船に入れるのでしょうか?
検査する警察官は、多分、この風船に吹きこむ量を命じると思います。
オジサンが
「どれくらい吹き込むの?」
と聞いても、ハッキリとどれ位と言ってくれないので、オジサンは、むきになって風船を膨らます。
オジサンは、フーフーと息を吹き込み、風船は、忽ち大きくなり
「パーン」
と破裂します。
警察官は、
「そーら、余り沢山吹きこむから破裂したじゃないか!」
と文句を言い、オジサンは、
「どれくらい吹き込めと言ってくれないから、思いっきり吹きこんだぞ」
と、反論し、この時点、ですでに、オジサンは酔っぱらっていることをバラしています。
しかし、『○○○○』では、こんな、とげとげしい様子ではありませんでした。
こんな可愛いことが起こっていたのです。
『オジサンが、風船を懸命に膨らませていた時、警察官の後ろに、ワカメちゃんと、友達が並び、言い争っています。二人ともは、膨らませていない風船と、ヒモを持っています。友達の女の子が「こんどはあたしがたのむのョ」と言うと、ワカメちゃんが、激しく「アたしョ」とむきになって叫んでいます。警察官は、後ろで言い争っている女の子達を振り返って見ています』
女の子たちは、制服制帽のお兄さんが、車を止めて、運転していたオジサンに風船を膨らませるように頼み、膨らませて貰っている。
だから、そのオジサンが、風船を膨らませる人だと思ったのでしょう。
自分たちが持っていた風船も、膨らませてと頼むと、大きく膨らませてくれると思い、私が先だと言い争っているようです。