サザエさん-車(22)

 

交通事故で首が回らなくなった?

 

朝日文庫版33巻〔91頁〕・昭和41年

『首が直角に右を向いた無精ひげのオジサンが、道路を横切っています。その時、荷台を幌で覆った小型のトラックが走ってきました。首が右向きのオジサンを飛ばさんばかりのスピードで、左の方から走って来て、キキキーッとブレーキをかけて止まりました。運転手は、角刈りのねじり鉢巻きをしたオッサンで、「バカヤロウー!」と怒鳴っています』

 

『首が直角に右を向いたオジサンは、素知らぬ顔で、小型トラックの前を歩いています。小型トラックの運転手は、そのオジサンに向かって、眉を逆立て、怖い顔をして、「どこをみてあるいてんだ!!」と怒鳴り、「じこにあったらどうする!」と注意しています』

 

『すると、首が直角に右を向いたオジサンは、トラックと反対の方の右を向いたまま、大きな声で、「バカヤロウー!」と大きな声で罵声を浴びせました。小型トラックの運転手のオッサンは、顔をしかめて怒ったままです』

 

『首が直角に右を向いたオジサンは、トラックと反対の方の右を向いたまま、小型トラックの前を、「事故にあってクビがまわらくなったんだッ!」と言いながら通り過ぎてゆきました。小型トラックのオッサンは、愕然としています』

 

こんな後遺症を残す交通事故は、怖いですね。

事故直後に病院に行っていると思いますが、どんな治療をしたのでしょう?

クビガ直角に右を向いたままです。

近くで何が起こっても、首は右を向いたままです。

左から車が来ても見えませんから、たいへん危険です。

 

車の追突事故の障害で、鞭打ち症というのを良く耳にします。

車に追突され、急激に体は前方に、その反動で体の上に乗っている頭が後方に振られ、体と頭をつなぐ首に、損傷が起こるのでしょう。

 

時折、首をギブスで固定した、人を見ることがあります。

しかし、首が直角に右を向いたままギブスで固定された人は、見たことがありません。

恐らく、首をギブスで固定する前に、正面を向くよう治療すると思いますが、このオジサンは、右を向いたまま固定されたのでしょうか?

 

このまま治らないとは思いませんが、右を向いたままでは可哀そうです。

小型トラックの運転手のオッサンが言うように、前方を見ていないために、交通事故にあわないとも限りません。

一刻も早く、元通り、首は矢張り正面を向くように直しましょう。