サザエさん-車(21)

 

カツオ君!タクシー料金の値上げは、よそのオジサンに聞いても判らないよ。

 

朝日文庫版45巻〔76頁〕・昭和48年

『ソフト帽を被った、鼻の大きい紳士がタクシーに乗り、運転手に、右手で前方を示し、行先を指示しているようです。タクシーは、走っています』

 

『そのタクシーは、タクシー降車場まで来ると止まりました。鼻の大きい紳士が、紙幣を出してタクシー料金を払っているのが見えます。その様子を買い物の包みを脇に挟み、買い物の紙袋を提げたカツオ君が見ています。カツオ君は、多分一つ前のタクシーで、ここまで乗って来て降りたところのようです』

 

『タクシーから、鼻の大きい紳士が下りてくると、カツオ君はその紳士の前に立ち、「で、いくら取られました?」と尋ねています。意外なことを尋ねられた紳士は、キョトンとしています』

 

『先の方を歩いていたカツオ君のお父さんは、カツオ君が鼻の大きい紳士に尋ねていることを聞いて、「カツオ!」と大声で叫んでいます。お父さんは、新聞で見た「タクシーまた値上げ」と言う新聞記事を頭に浮かべています。カツオ君とタクシー料金が、また高くなるぞ、と言うような話をしていたようです』

 

タクシ―料金のたびたび値上げ、嫌ですね!

カツオ君のお父さんも、子供のカツオ君を相手にして

「また、タクシー料金が値上がりになったぞ!良くも、度々値上げをするもんだな。カツオ!今日は、一杯買い物をして、バスで帰るのは、面倒だから、タクシーを奮発して帰るか!値上げして幾らか判らないが、今日はタクシーで帰ろう」

とタクシーに乗ったんだと思います。

カツオ君は、タクシーに乗って嬉しかったが、タクシー料金は幾らかなーと気になって仕方がなかったのだと思います。

お父さんがタクシーを降りて、歩いて行ったのに、降車場にとどまり、次に来るタクシーを待って、降りてきた紳士のオジサンに、タクシー代いくらとられましたかと聞いています。

 

偶にしか乗らないタクシーですから、「いくら取られましたか」と聞いても、お父さんのタクシー代金の値上げを憂う参考にならないでしょう。

 

カツオ君!余計な心配をし、お父さんに恥をかかせるのは止めよう。

それみろ!大きな声を出して怒っているぞ。

 

聞かれた紳士は、何ごとかとキョトンとしているよ!