サザエさん-車(19)

 

白バイの警官の「オレほめて事故をなくしてゆくしゅぎ」

 

朝日文庫版41巻〔102頁〕・昭和45年

『マスオさんが、今日も自家用車を運転しています。街道を走っていると、白バイが追っかけてきました。マスオさんは、何ごとかと後をちらと見ています』

 

『ヘルメットを被った警官が乗った白バイは、マスオさんが運転する自家用車に、たちまち追いつき、警官は、白い手袋の左手をあげて、行く手を遮りました。マスオさんは、車を止めました。額から汗が噴き出ています』

 

『白バイから降りてきた、ヘルメットの警官は、止まったマスオさんの車のボンネットに両手をついて格好をつけながら、汗を流しているマスオさんに、「あんたのうんてんしんちょうでスゴクいいよ98点!」と褒めてきました』

 

『そういうと、警官は、白バイに戻り、「オレほめて事故をなくしてゆくしゅぎ」と言って、エンジン音を残して走り去りました。マスオさんは、噴き出していた額の汗を腕で拭っています。赤く興奮していた顔もホッとした様子です』

 

自分の車を運転していて、白バイに追っかけられたら、何ごとかとドッキリしますよね!

多分、マスオさんは、慎重な運転をする人だと思います。

だから、マスオさんは、安全運転しているにもかかわらず、白バイが追っかけて来るので、どうしたんだろうと、気になるでしょう。

 

マスオさんは、

「もっと速く走りなさい。円滑な交通を妨害してはいけません」

と叱られるタイプのドライバーかもしれません。

 

そうだと思います。

白バイは、すぐに追いついています。

マスオさんの車は、スピードを出していないのです。

 

何をしたのだろう?何を叱られるのだろ?

心配そうにしているマスオさん、汗をかいています。

 

マスオさんは叱られませんでした。逆に、運転を凄く良いと褒められました。98点だそうです。

 

それにしても、この白バイの警官は、「オレほめて事故をなくしてゆくしゅぎ」なぞと自己自賛している自分勝手な警官です。

安全している車を見付けては、近づき、運転を褒めているのですから、白バイの警官の暇つぶしのようです。

彼の主義も褒められるものではありません。マスオさんのような、安全運転主義のドライバにとって、ハタ迷惑の主義です。