サザエさん-お医者さん(11)
噛むのは犬とは限らない!
朝日文庫版42巻〔81頁〕・昭和46年
『中年のオジサンが、診察ベッドに腰かけて、お医者さんの診察を受けています。禿げ頭のお年を召したお医者さんは、オジサンの太い腕を持って調べています。オジサンの右腕の肘から手首までの腕の一部に赤く血がにじんでいます。オジサンは、「いきなりイヌにガブット」と言っています。先生は、血の滲んでいる跡を診て「こりゃひどい」と驚いています』
『先生は、オジサンの右腕を三角巾で肩から吊るしてやった後、紙袋にいれた薬を持ってくると、「はいクスリ」と言って、オジサンに渡しています』
『オジサンは、紙袋を受取っています。先生は、紙袋を渡すと「せいしん安定剤おくさんにのませなさい」と言ってそっぽを向いてしまいました』
『オジサンは、腕を三角巾で吊るされ、紙袋を手に持ち、「ばれたか」と怖い奥さんの顔を思い浮かべながら、病院を後にしました』
こんな酷いことを奥さんがやったんですね。
まるで猛犬が噛みついたような噛み傷が残ってしまいました。
猛犬に噛まれましたと言っても、お医者さんには直ぐにばれたようです。
傷跡が、犬だったら牙の後が喰い入っている。
しかし、それとちょっと違う。
そんな跡はない。
食いついて、歯ぎしりしたような後だ!
これは、人が噛んだ跡だ!
それも噛み方が少しおかしい。
精神異常者が、思い切り噛みついたような跡だ。
この傷は、塗り薬で取りあえずは直すことができるだろうが、
この人は、再度、噛まれる怖れがある。
その根本原因を取り除かねば、この人は、また噛まれるだろう。
「奥さんの精神の高ぶりを鎮める必要がある」
と診断した先生は、噛まれた後の塗り薬と、奥さんに飲ませる「せいしん安定剤」を出しました。
「奥さんがこれを飲めば、貴方は噛まれることはなくなるでしょう」
と言いたかったのでしょう。
このオジサンは、奥さんが異常に怒る何をやったんでしょう?
お医者さんから貰った精神安定剤を飲ませるだけでは収まらないかもしれません。
オジサンも反省して、奥さんが精神異常を起こさないようにして上げてください。