サザエさん-お医者さん(9)
疲れた時に書いてもらう健康診断書
朝日文庫版36巻〔89頁〕・昭和42年
『会社の会議室で会議中です。部屋の中からドアを開けて、役付きらしい会社員が出てきました。相当疲れているらしく、首もうなだれています。会議室を出た彼は、隣にある医務室のドアを押して入っていきました』
『医務室の中には聴診器を耳に突っ込んだ太った禿げ頭の先生がいます。くたびれた会社員は、先生の前の丸椅子に座りました。会社員は、上半身裸になっています。診察を受けた後。会社員は、「ウチでせいようをようすというシンダン書をおねがいします」と先生にお願いしています。すると、先生は、手を横に振り「それほどのことはないですよ」と言っています。丸椅子に座っている会社員は、本当に忙しくて疲れ果てた様子で、裸の上半身は、あばら骨も浮きたち、痩せ細っています。情けない顔をしています』
『会社員は、上着を着ながら、「かぞくにみせますんで」と言っています。先生は、唖然として、会社員を見ています』
『○○○○』
何故、家族に見せる診断書が、欲しいのでしょう。
考えられる理由は、種々あるでしょうね。
この会社員は、「静養を要す」と言う診断書をみせて、家族にどうしよう、どうして貰おうと謀っているのでしょうか?
静養を要すのですから、「もうこれ以上体力を使いたくない」や、「栄養のある美味しいものを食べて、のんびりしたい」と言うことになります。
家族は、「お父さんは、静養が必要だから、家の中で楽にしてあげましょう」となるでしょう。
こうなると、疲れた会社員のお父さんが謀っていることは、推測できます。
そうだったんです。
『○○○○』は、こう言うことでした。
『お医者さんは、「ゴールデンウイークにそなえてか!」と言い、微笑みながら万年筆で診断書を書いています。サザエさんのお父さんも、医務室に来ていて、疲れた会社員の後ろに並び、後ろから会社員を冷やかしているようです。静養の必要な会社員は、後ろを振り向き、頭をかきかき照れています』
この会社員は、ゴールデンウィークの間、家でゆっくりし、体力回復をしたかったのです。
この診断書を奥さんと子供さんに見せれば、奥さんがこう言ってくれるでしょう。
『あれ!みんな、お父さんは働き過ぎて、今度のゴールデンにウイークは、何処にも行けないだって、家で寝てなさいと言われたようよ!良かったね、皆!私たちだけでデイズニランドに行こう!お父さんが、いないから思いっきり遊んで、楽しんでこようよ!!』
と言うことになるんですね。
お父さんは、疲れているんだから、デイズニランドは忘れてしまいましょう!
望みの診断書を書いてもらったんですから、家で寝ていてください。