サザエさん―押し売り(16)
弱い押し売り対策。
朝日文庫版23巻〔130頁〕・昭和36年
『サザエさんが、玄関の板張りに座り、売り物が満杯のトランクを指さし、わめきたてています』
『サザエさんは、まだ同じ位置に座ったまま、指さす位置を上の方に変え、まだ、わめきたてています』
『サザエさんは、まだ、同じ位置に座ったまま、両腕を組み、まだ、わめきたてていますす』
『そこへ、マスオさんがやってきました。呆れた顔をして、「すこしはおまえ押売にも話をさせてやれよ」と言いました。サザエさんは振り返ってマスオさんを睨みつけています。全く、怖い顔をしていない押し売りのオジサンは、帽子を被った、顔の細い元気のなさそうな押し売りさんでした。タバコをのみながら、ウンザリとしたように、ションボリと小さくなっています』
押し売りのオジサンが、怖くなかったせいでしょうか?
サザエさんは、強気になって、オジサンにガミガミと言っています。
かなり長い時間、ガミガミッまくし立てたんですね。
押し売りは、うんざりし、くたびれています。
奥の部屋にいたマスオさんも、サザエさんの余りにも一方的な攻勢に、堪らなくなって部屋を飛び出してくると
「すこしはおまえ押売にも話をさせてやれよ」
と言ってしまうほどでした。
怖い押し売りに、怖い思いをしていたサザエさんも今日は、弱そうな押し売りだと強気です。押し売りにナqにも言わせません。
押し売りは、多分、サザエさんの剣幕に恐れをなし、諦めて帰っていくでしょう。