サザエさん―面白い落ち(30)
渾名が、流感とは酷過ぎる。
朝日文庫版38巻〔39頁〕・昭和44年
『マスオさんの勤務先です。コメカミの辺りで、グルーッと髪の毛が残り、それから上は既に禿げあがった、お歳の部長さんが、お茶を飲みながら、机に向かって座っています。その前方の机の傍で、マスオさんと同僚が立ち話をしています。同僚が。両手をスーツのポケットに突っ込み、大口を開けて「流感が、またノサバリだしたな」とこぼしています』
『それに応えるように、マスオさんも、両手を後頭部に当ててリラックスした格好で、同じように大きく口を開いて、「流感か!あいつは早いとこぶちのめすにかぎるんだ」と、威勢のいいことを言っています。同僚も眉毛をひそめ、同意している様子です。部長は2人には関心なさそうに、静かにお茶を飲んでいます』
『マスオさんと同僚は、「どうかん、どうかん」と言いながら、部長の前から立ち去りました。部長は何も言わず見送っています』
『○○○○○』
2人は、部長の前で、ただ単に流感の噂をしただけでしょうか?
何だか、不可思議ですね。部長が直ぐ傍にいるに、部長を全く無視しています。
3人のこのくらいの距離間隔だってら、部長も話し仲間に入れてやれば良いのに。
何だか変だぞ、この間合い。
『○○○○○』は、部長も入れていれば、こんな会話くらいするでしょう。
『部屋を出て言った二人は、帰り支度をして、部長の前に現れました。同僚が部長に言いました。「部長!流感が、はやり始めていますよ。どうも今年の流感は悪性で、早めにやっつけてしまわないと、酷い目に会いますよ。わたしたちは、二人で、流感退治に居酒屋に吞みに行きますので、早めに帰らせて貰います」と言い。マスオさんが、お猪口を口に持って行くような仕草をして、「部長も、一緒にいかがですか」と誘いました。部長は、「俺は、流感には弱いから、直ぐ帰って寝るよ。流感が収まったら付き合うよ」と断っています』
しかし、こんなな話ではありませんでした。
こんな酷い話でした。
恐らく、同僚の性格がよくない所為だと思いますが、マスオさんも一緒になってバカ笑いしていますから、この酷いことは、マスオさんが言いだしたのかもしれません。
『マスオさんと同僚は、部屋を出て廊下にいます。2人は、バカ笑いしながら、口を大きく開き、部長をバカにしているかのように、こんなことを言っています。同僚が「部長のアダナ「流感」にしてから」と言い、続けてマスオさんが「大ぴらでわるくちいえてスカッとするァ」と言っています』
平社員の二人は、部長を何と失礼な扱いをしているんでしょう。
「部長を早いとこぶちのめしたいのでしょうか」
どうも二人は、危ないですね。左遷されるか、此処にいても偉くはなれないでしょう。