サザエさん受験・入試(15)

 

合格を喜んでいる風景でした。

合格した様子を描いた珍しいものです。

それも、見知らぬオジサンが合格を喜んでくれました

 

朝日文庫版44巻・昭和46年

『有名大学でしょうか、掲示壁に合格者の受験番号が書いた大きな貼り紙が掲示されています。格子模様のセータを着た若者が「合格だ!!」と喜びの声をあげて、一緒に来たお母さんに抱きついています』

 

『そこへ、笑顔のオジサンが寄ってきて、「うかった!!よかった、よかった」と両手を上げて大喜びです。お母さんと若者は、手をつなぎ、うれしそうに「ありがとうございまとお礼を言っています

 

『母さんと若者は、オジサンの前を通り過ぎました。お母さんが若者に「しっているひと」と聞いています。すると若者は「ゼーンゼーン」と答えました。オジサンは、一人で嬉しそうに、「いや、よく頑張った!」とヒトリゴトを言っています』

 

『そのオジサンが居酒屋にいます。サザエさんのお父さんも居酒屋にいました。オジサンはコップにビールを注ぎながら、「あたしゃずーっと屋台出してたンヨと言うと、若者が合格したのを喜んでいるいきさつをビールを飲み飲み語っています。

多分こんなことを言っているようです

[あたしゃ屋台の飲み屋をやっております。毎晩、屋台を引いて、お客さんにお酒を飲んでもらっておりやす。私が屋台を出す場所は、ほぼ、決まっております。屋台を出す場所の直ぐ近くに、夜遅まで灯をともしている家があるのに気付きました。その家の窓に映る人影は、その家の若者が毎晩毎晩遅くまで勉強している姿だったんですよ、わたしゃ、この若者が、○○大学を受験することを知りまして、彼が合格するように影ながら応援しておりました。しかし、合格するか気が気ではありませんでした。今日、合格発表の日だと知りましたので、一人見に行ったんです。そうしましたら、親子が合格したと喜んで抱きあっていまして、わたしゃ、あの若者がよくやったと、一緒に嬉しくなって、しまいました]とサザエさんのお父さんに説明しているのでしょう。屋台のオジサンも、嬉しくなって居酒屋に行き、誰かに語りたかったのでしょう。丁度、サザエさんのお父さんが、オジサンの喜びを聞いてあげました』

 

合格を喜んでくれる人が意外な所にいるものですね。

居酒屋のオジサンは、受験生が毎晩遅くまで勉強しているのに気付き、合格するように応援していたのです。

そんな思いの中、その受験生が○○大学を受験したと知ると、今度は、合格できるか気が気でもない。

今日が合格発表の日だと知り、大学まで行ってしまいました。すると、彼が合格したと母子で大喜び、オジサンは、自分のことのように嬉しくなり、「うかった!!よかった、よかった」と言ってしまったのですね。

オジサンは、この喜びを誰かに伝えたい、自分が屋台の飲み屋さんであることも忘れ、居酒屋に行きました。

幸いにサザエさんのお父さんがいました。

オジサンは、サザエさんのお父さんに、ビールを飲んでいい気分になり、自分が応援していた若者が大学に合格したのを、一人で喜んでいるいきさつを自慢げに語ったようです。

 

受験生の若者たち!影ながら君を応援し、合格したとき、喜んでくれる見知らぬ人がいるかもしれないぞ!