サザエさん―ボーナス(9)
今は、奥さんが働いている家は、多いでしょう。
全ての奥さんが、ボーナスを貰っているとは限りませんが、奥さんが働き、旦那が稼いでいない家では、奥さんがボーナスを貰う日は、こうなんでしょうか?
ほんの1例にしか過ぎないと思いますが、こうなんだそうです。
その一例を紹介します。
朝日文庫版36巻・昭和42年
『派手な大柄のアロハ風の半袖のシャツを着た、若い男が、生まれて数が月と思われる、オシャブリを咥えた赤ん坊を乳母車に乗せ、八百屋の前にいます。八百屋には、たまたまサザエさんが、居合わせています。若い男は、八百屋の品を物色すると、陳列台の上の枝豆を指さし「枝まめ」と、ねじり鉢巻きをした鼻の大きい八百屋のオジサンに注文しました』
『今度は、若い男は、床屋にいます。床屋さんが、散髪も終わり、ハケで首のまわりを払って貰っています。若い男の髪は格好よく仕上がっています』
『次は、若い男は、家のキッチンにいます。調理台の上には、肉と、切った野菜がボールに入れて準備し置いてあります。ガス台の上の鍋は、煮立って湯気が立ち上っています。長い料理箸を手にした若い男は、突然の玄関の方を振りかえり「おかえんなさ~イ」と、嬉しそうです』
『次は、居間です。帰ってきた奥さんが、お膳の傍に腰をおろし、靴下を脱いでいます。赤ん坊は、ベビーベットに寝かし付けられています。若い男は、お盆にビール瓶とコップと煮た枝マメを乗せ、運んできました。若い男は「うちじゃ、カーチャンがはたらいてンだ」と言い訳をしています。お膳の上には、沢山のお札が入っていそうな袋が、堂々と置いてあります』
ボーナス日とタイトルのついた作品でした。
若い男性は、家事、育児を担当し頑張っています。今日は、奥さんがボーナスを貰って帰って来る日。
奥さんが持ち帰ったボーナスが嬉しいのです。
嬉しいから、八百屋で買って、美味しく煮た枝マメを、冷たいビールと一緒に、運べるのです。
自分で持ち帰るボーナスがない、この若い男は、可哀そうでは有るが、幸せな男でした。
この若い男は、奥さんのボーナス日だから、特別にこんなサービスをしているのではないと信じます。
毎日毎日、育児に励み、買い物に出かけ、料理をし、我が子と奥さんを育てているのです。
でも、奥さんがボーナスを持って帰る今日のボーナス日は、特別に、床屋で散髪して、きれいにし、感謝の気持ちを具体化し、嬉しさを高揚させています。
何時もなら、枝マメを煮て、冷たいビールを奥さんにサービスするくらい、なんでもないんです。
しかし今日は、奥さんに、特別に、感謝の気持ちを伝えているのです。
こんな家庭も増えているのでしょうね。
しかし、それではいけませんね。若い男は、働いて、ボーナスを貰いましょう。
そんな人達のため、安倍総理に、頑張っていただきましょう。