サザエさん―ボーナス(6)
カツオ君とワカメちゃんに見くびられたお兄さんのボーナス。
2人は、お兄ちゃんのボーナスは、少ない上に、サザエお姉ちゃんに取りあげられるんだから、無理しなくていいよと、気を使っているんです。
朝日文庫版29巻・昭和40年
『庭で、毬をついて遊んでいるワカメちゃん、野球のグローブを嵌めて、ボールをたたきつけているカツオ君のところに、マスオさんがやってきました。そして、廊下の外に有る、物干し竿に両手を伸ばし、背伸びしながら、マスオさんが言いました。「なにがほしい?ボーナスがでたんだ」。2人は、喜んでいるような様子もなく、キョトンとして聞いています』
『先ず、カツオ君は、ボールをグローブに叩きつけながら「そうねえ・・ぼくケシゴム」と言いました。マスオさんは、黙って聞いています』
『次いで、ワカメちゃんは、毬を両手で持って「あたしふうせんガム」と言いました。マスオさんは、少し表情を変えて聞いています』
『2人の欲しいものを聞いたマスオさんは、急に怒り出しました。「みくびるな!もっと出るぞ」。カツオ君とワカメちゃんは、直立して頭を引掻いています』
マスオお兄さんのボーナスは、サザエお姉さんのもの、僕達に何か買ってやるぞと言ったって、お兄さんの思い通りならないんだろ?
だから「高いものなんか、買ってください」とは言えないよ!
言っても、お姉さんは、駄目と怒り出すに決まっているじゃないか!
ねェ、ワカメちゃん!
お兄さんの自由に出来るお金で買えるのは、消しゴムと風船ガムくらいのもんだよ。
ねェ!ワカメちゃん。
怒るな、マスオ兄さん!
空威張りは止めて、無理しなくていいから、消しゴムと風船ガムを買ってください。
とカツオ君は、言いたいのだろう、きっと!