ワカメちゃん(50)

ワカメちゃん!雨の中、カタツムリのおでん屋さんは、重い屋台を引いて何処へ行ったのかな?

 

朝日文庫版『サザエさん』(30) 昭和40年

『外は雨です。ワカメちゃんは、窓を開いて、窓枠に肘をつき庭を見ています。庭には数本の竹が植えてあります。ワカメちゃんは、雨の降りかかる一本の竹をじっと見ています。その竹の幹を一匹のかカタツムリがゆっくりゆっくりと這いあがって行きます。ワカメちゃんは、大きな声で、「カタツムリのおでんやさん」とカタツムリに呼びかけました』

 

『カタツムリは、雨にぬれた竹の幹を這い上って行きます。ワカメちゃんは、続けて、「やたいをひいてどこいくの!」と呼びかけました』

 

『すると、そこにお父さんが現われ、ワカメちゃんを小脇に抱え込むと、「親のよく目じゃない、たいした才能だ!」と興奮して言いながら、お座敷まで運びました』

 

『お父さんは、お座しきの机の前に座り、机の上には原稿用紙を置き、手には鉛筆をもって、ワカメちゃんに、「いい子だから思い出してごらん」とうながしています。お母さんまで、机の傍に来て、ワカメちゃんを見つめています。ワカメちゃんは、残念そうに「忘れちゃったよ」と言いました』

 

四駒漫画です。

ワカメちゃんは、雨が降っている竹林の中で、カタツムリを見つけたんだ。

そのカタツムリの様子が、まるでおでん屋さんのように見えたんだね。

カタツムリが、大きな殻を背負って、そろりそろり這っているのが、大きな屋台を引いて、商売に出かけるおでん屋さんのように見えたんだね。

 

カタツムリのおでん屋さんの屋台は重そうだな。

重くてゆっくりゆっくりとしか引っ張って行けないようだ。

重い屋台を引いて何処へ行くのかな?

 

ワカメちゃんが、カタツムリさんの様子を見ていて、

「カタツムリのおでんやさん」

「やたいをひいてどこいくの!」

と思わず言っているのを聞いていたお父さんは、このことだけで、我が娘が、まるで、天才的な即興詩人と思えたんだ。

お父さんは、ワカメちゃんが、その先も、素晴らしい言葉を発したに違いない

その先を聞き逃したと思った、お父さんは、さあ大変、その先を聞きだそうと、ワカメちゃんを部屋に連れ込んだ。

ワカメちゃん、その先何と言ったのだ?

 

これにワカメちゃんが、

「わすれちゃったよ」

と言うので、お父さんは、ガッカリしたろうな!

 

ワカメちゃん!その先何と言ったんだろう。

オジサンも聞きたいな!

 

カタツムリのおでん屋さん、雨にぬれた道を、重い屋台を引くのは大変ね!

私が後ろから押してお手伝いしましょうか?

早く、雨が掛からない上まで行って、商売して頂戴!

 

これじゃ、だめじゃん!ワカメちゃんは、何と言ったんだろう?

お父さんが、我が娘が天才と確信させる何かを言ってあげて!