見廻りッ子

 

僕と弟は、ママに連れられて、買い物に行った。ジッチャンも付いてきました。

今日の僕の目標は、期間限定のメガマックに挑戦することだ。

メガマックは、ビッグマックよりハンバーグが2枚も多く、厚さは1.5倍位ある。

3年生の僕が一気に食べられるか試してみたかった。

 

車から降りてエレベータの前に弟は走って行った。

「何階?」
と叫んでいる。

エレベータの『下の矢印』のボタンを押している。

乗り込んで

「2階だよ」

と言うと『2』のボタンを押した。

弟は、もう数字を0から9まで覚えている。

テレビのチャンネル係の弟は、リモコンのボタンで数字を覚えてしまった。

 

エレベータがスーツと下がって止まり、ドアがスーツと開くと、弟は飛びだした。

走り出す。
その先にはオモチャ売り場がある。

ウルトラマン人形や怪獣の人形がズラリと並んで下っている。

弟は、人形の名前を言いながら触っている。

「ニイニイのと一緒だ」

と言うだけで買ってとは言わない。

鉛筆も消しゴムも色紙も有り、見たり触ったり、弟は、売り場の見廻りッ子だ。

 

食品売り場に行った。

弟は、ママも僕も振り切って、お菓子売り場に飛んで行く。

沢山のいろんなお菓子が並んでいる。

見廻りッ子は、ここでも忙しそうだ。

あっちへ行ったり、こっちへ来たり、何を選ぶのかな?

クッキーかな?チョコレートかな?

決まった。

オマケのついたチョコレート菓子だ。

 

食品売り場で買い物も済み、いよいよ僕の挑戦だ!

と思っていたら、ママは洗剤を買いにいくと弟の手を引いて行ってしまった。

僕は、早くメガマックに挑戦したい!あのでかいマックを食べたい。

お店の前のテーブルで、今か今かと、ママを待った。

ジッチャンと待っていると、弟が、さっき買ったお菓子を入れたビニールの袋をぶらぶらと下げて、僕たちの方に近づいて来た。

「ママは」

と聞くと、

「あっちだよ」。

その時、僕の携帯が鳴った。

「○○がいなくなった」

と弟が見えなくなった言っている。

僕は、携帯電話に向かって
「ここにいるよ」。

見廻りッ子の弟は、一人で店の中を見廻り、僕がマックと言っていので、いつも来ているマックのお店の前に来たようだ。

 

ママが来たので、いよいよメガマックを買うぞ。

僕の外の3人は、そんな大きいメガマックは食べられないと買わなかった。

ジッチャンが、イチゴのシェーク、弟は、シュワシュワと何時も言ってるコカコーラ。ママはポテトで良いそうだ。

手にしたメガマックはでかいぞ!僕の口では絶対かぶり付けない大きさだ!

仕方ないので、ママのコーチに従い、こっちの端からかぶりつき、次は反対の端からかぶりついた。

 

ジッチャンが、イチゴのシェークを飲み始めた。

ストローで懸命に飲んでいる。

それを見ていた弟は

「ぼくに飲ませて」

と言って取りあげている。

ストローに咥え大人しくなった。

 

ママが、弟の方を見て、

「ヒヤ―ツ」

と悲鳴を上げた。

弟を見ると、コートの胸一杯にシェークをあび、びっしょりだ。

早く、早く、ティッシュ、タオルと大騒動。

あった、あったと、コートについたシェークを拭いている。

 

マックのシェークは、ストローで飲もうとしてもなかなか出て来ない。

小さな弟は、ストローで吸っても出て来ないので、コップを押せばシェークがストローから出て来ると知恵を働かせ、ギューツと両掌でコップを押したようだ。

力一杯押したので、フタが飛びあがり、中身が飛びだした。

 

僕は、大きなメガマックを食べるのに四苦八苦しているのに、余計なことするな!

弟は、ストローから、簡単に吸えるシュワーツを、済ました顔で飲んでいました。

 

こんな邪魔が入りましたが、メガマックを完食し、僕の挑戦は、成功しました。