四駒漫画(379):泥棒(12)
小道具にリール式録音再生機を使う、流感で喉が潰れたインテリ泥棒。
文庫版31巻、昭和40年
『月夜に、泥棒が家の縁側のガラス戸に細い棒を差し込み、何かやっています。泥棒は、映画の寅さんが持っていた大きさのトランクのようなものを足元に置いています。泥棒は、頭には手拭のようなものを被り、マフラのようなものを、口も見えないように、太い豚鼻だけが見えるくらい首に巻いています』
『磯野波平さん、舟さん、カツオ君、ワカメちゃんが、泥棒に驚いて、それぞれの布団の上に座っています。泥棒は、トランクのような物を足元に置いて、出刃包丁を突き付け、脅しています』
『トランクのような物は、リール式の録音再生機でした。泥棒は、電気コードをコンセントに突っ込んでいます。すると録音機から「ヤイ!静かにしろ、騒ぐとためにならねぞ」と言うのが聞こえてきます。4人は、その録音再生機をジッと見ています』
『録音再生機からは、更に「カネを出せ」と脅し声が聞こえてきます。泥棒は「ゼ~ゼ~」と喉を鳴らしながら、喉を指さしています。4人は泥棒をジッと見ています。お父さんがポッリと、「流感が流行っているなァ」と呟いています』
サザエさんの四駒漫画でした。
流感で喉を痛めた泥棒が登場しました。
風邪を引いても、生きて行くためでしょうか?泥棒をしなければなかったのでしょう。
流感で喉を痛めて声が出ない。
盗みに入ったら、その家の者達を脅さなければ泥棒は出来ない。
でも、声が出ない。
脅し文句を録音し、再生して脅してやろう。
小道具として、オープンリール式の録音再生機が出てきました。
懐かしいレコーダです。
カセット式テープレコーダが普及していない時代、家庭の居間にデンと置かれていたのを思い出します。
この時代のリール式録音再生機は、大きく、携帯は困難であったろうと思います。
時代は移り、肩に担いで携帯できる大きさの家庭用のリール式録音再生機が普及し、新しいものを欲しがる物好きの人達は、手に入れたでしょう。
この泥棒は、そんな種類の人種だったんでしょうか、リール式録音再生機を持っていたようです。
なかなかのインテリ泥棒のようです。
自宅で脅し文句を録音し、侵入した家の者の前で再生しています。
しかし、そのために大きなリール式の録音再生機を肩に担いで泥棒に出かけるとは、そのご苦労も大変なものです。
その後、録音再生機は、リール式からカセットテープ式のウォークマンのようなポケットにも入る携帯容易な録音再生機が出てきて、便利になりましたから、その後は、こんな苦労も必要なかったでしょう。
と言っても、流感にかかっても携帯レコーダを使って泥棒をするのは良くありません、止めましょう。