映画「のぼうの城」
昨年公開予定であった映画『のぼうの城』が1年遅れて公開されたので観に行った。
映画は、素晴らしい出来であった。
本で読んで脳裏に思い浮かべる物語は、動画で表現された映像で、登場する役者の演技で、その世界に引きずり込まれるような思いであった。
細かに突き詰めれば、可笑しな個所はあるが、それらにこだわることなく、見ていると、大いに楽しめる映画である。
演技する役者では、石田三成を演じる上地雄輔が良かった。いろいろの小説に登場し書かれている戦下手だと言われた石田三成を彷彿とさせる。
三成は、ここに見るように、心やさしさを持つ人であったので、勝てる戦も、敗れる、戦下手な武将だったのだろうか?
正木丹波守利英を演じる佐藤浩一は、勿論、柴崎和泉守を演ずる山口智充も、本で読む人物を、映像の中に具現化している。
本の中の長親のイメージを、損なうことはないかと恐れていた野村萬斎も、上手く演じていた。
野村萬斎が演じて見せる「のぼう様」は、小説「のぼうの城」の面白さを、深く細かく教えてくれた。
三成が陣取る丸墓山から俯瞰する利根川と荒川に挟まれた広大な沼地にロケーションする忍城、川の水をせき止めて水攻めのために築く堤防の工事、堤防を決壊させて、流れ押し寄せる波涛などスケールの大きいな映像は、CG技術があったればこそなのであろう。
映画公開が待たれていた「のぼうの城」は、本に書かれていた通りの面白さ、豪快さなどの魅力を、映像にして見せてくれた、すばらしい見応えのあるものであった。
一見に価する、時代劇映画である。