いじわるばあさん(4)
「いじわるばあさん」の超意地悪には参った。
文庫版「いじわるばあさん」(1)(1995年)
『松の木のある庭の門の外を、如何にも神経質そうなお婆さんが竹箒で掃除しています。意地悪ばあさんが買い物籠を手に通りかかりました。お婆さんは、神経質そうなお婆さんに「むしますですねー」と声をかけました。そのお婆さんは、ツンと顔をそむけて、知らぬ顔を装っています』
『意地悪ばあさんは、「なんてまァ意地の悪い婆さんだろう!」と小声で言いながら通り過ぎて行きました』
『うなぎ屋さんの店先です。「うしの日」と看板が出ています。太ったねじり鉢巻きの店主が大きな声で「まいどあり~~」と威勢よく声を張り上げました。その前にいじわるばあさんがいて、「小川ですが、うな重、20たのみますよ」と出前をお願いしています』
『門柱に「小川」と書いた表札が出ている門のところに神経質そうなおばあさんが出て来て、ガミガミと何やら抗議しています。その前には、うなぎ屋の店主と若い店員が、それぞれ幾重にも重ねた重箱を重そうに抱え、店主は何やらガミガミと文句を言っています。其処から可なり離れた塀の影でいじわるばあさんが、この様子を、いい気味だと言わんばかりに、目を見開いて、ジーッと盗み見していました』
四駒漫画・いじわるばあさんです。
意地悪にかけては、「意地のわるそうなお婆さん」の上をいく、心底意地悪な「いじわるばあさん」でした。
この手の意地悪は、定番の意地悪で、この意地悪ばあさんもこの手を使いました。
ウナギが高いですね。
うなぎ屋さんに、気軽に行けません。ウナ重も相当な価格でしょう。
スーパのウナギのかば焼きも、以前に比べ、同じ価格でほっそりとスマートになっています。
若いころ故郷に帰ると、母が、必ず老舗のうなぎ屋さんからウナ重を取り寄せてくれました。
ある時、デパートの老舗のうなぎ屋さんで食べたウナ重も、骨まで軟らかな美味しいうな重でした。
この軟らかさは、スーパのウナギのかば焼きでも、圧力鍋で蒸すことで得られることが判り、度々、この方法で食べたものです。
しかし、ウナギのかば焼きが高価になってしまっては、スーパのウナギのかば焼きも、頻繁に食べられなくなりました。
昔も、ウナ重は高価なものだったとでしょう。
こんなものを、意地悪の仇打ちの意地悪として、ウナ重20個も出前をされたら、神経質で意地の悪い「意地悪なおばあさん」も、「いじわるばあさん」の超意地悪には参ったでしょう。