四駒漫画(311):テレビのある光景(71)

テレビの高校野球で熱くなるカツオ君を、扇風機がわりに利用して、電力節電と暑さ対策。

 

文庫版44巻、昭和48年

『サザエさんが、短パンにTシャッ姿でアイロンをかけています。余りの暑さに、大汗をかいて、Tシャッの胸元を拡げ、たまらず、「アツィ」と叫んでいます。部屋の奥の方には、カツオ君が、これまた、汗をかいて寝そべっています』

 

『サザエさんは、傍にあったテレビのスイッチをパチンと入れました』

 

『テレビは、高校野球の中継中でした。打者が「カーン」と大きな当たりをしたところでした。それを聞いて寝ていたカツオ君が、むっくりと起き上がりました』

 

『カツオ君は、何時の間にか、頭に鉢巻きを締め、2本のウチワを持ってきて、テレビを見ながら懸命に、ウチワを大きく振りまわして、声援を始めました。ウチワから送られて来る風の中でサザエさんは、乱れた髪をなびかせながら、涼しそうにアイロンをかけ始めました』

 

サザエさんの四駒漫画です。

夏、湿度・温度も高い部屋の中でアイロンがけは、苦痛です。

クーラーも扇風機もなければ、汗が滴り落ち、たまったものではありません。

クーラーや扇風機があれば、アイロンがけも苦痛ではないでしょうが、電力節電を強制されれば、アイロンを、かけないで済まそうと思うかもしれません。

 

ただ、テレビがあります。

テレビが、意外にも、扇風機効果を齎しました。

この暑い時期、高校野球をやっています。

幸いにも、カツオ君は、高校野球に熱くなるタイプの少年です。

高校野球のクライマックスになると、ジッとしておれません。

サザエさんは、弟の性格がよく判っています。

 

マスオさんが、明日着て行くシャッは、ビシッとアイロンがけをしておかなければなりません。

そこで、高校野球が放送されていると気づいたサザエさんは、テレビのスイッチを入れました。

案の定、暑さで寝付けないカツオ君は、むっくりと起き上がり、テレビを見ました。

いいところだったんでしょう、接戦だ、それ打てと、完全に応援モードになってしまい、頭に鉢巻き、両手にウチワを持ち、ウチワを大きく振りまわしています。

振り廻すウチワが起こす、嵐のような風の中で、サザエさんは、涼しくアイロンがかけられました。

マスオさんのシャッもシャキッと仕上がり、アイロンも無事済みました。

 

カツオ君、今は、扇風機もあり、エアコンもあるから、涼しくアイロンをかけることが出来ますから、そんなに頑張らなくていいよ。

しかし、震災後では、電力節電に協力しなければならないので、カツオ君の協力が必要かもしれません。