四駒漫画(306):テレビのある光景(66)
鯛は鯛でも、鯛焼きだ。猫はがっかり、カツオ君とワカメちゃんは奪い合い。
文庫版43巻、昭和47年
『丸い座卓の上に食事の準備中です、箸立てや、お皿とお椀が伏せて置いてあります。大きなお皿に一匹の鯛が盛ってあります。猫が、前足を座卓の上に乗せて、その鯛を狙っています。丁度その時、テレビでは、解説員が「サカナはとくに」と言っています』
『テレビでは、続けて「PCB汚染が酷いのです」と言っています。すると、猫はさっと座卓から前足を引き、丸くなっておじけづいています』
『テレビでは、棒グラフを使って、魚がPCB汚染がひどいことを示しています。猫は諦めて立ち去りました』
『カツオ君とワカメちゃんが、皿の上の鯛が、鯛焼きであることに気づき、カツオ君が「あタイ焼きだ!!」と叫んで取り上げると、ワカメちゃんがやって来て、奪い合いになりました』
サザエさんの四駒漫画です。
ある時期、PCBによる食中毒が大きな社会問題になりました。
PCBは、ポリ塩化ビフェニルという化学物質が、高沸点、熱分解しにくい、不燃性である、電気絶縁性が高い等の化学的性質が、電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、ノンカーボン紙などいろいろな用途に利用されました。
カネミ油症事件で、熱媒体して用いられ、配管から漏れたPCBが、食用油に混入し、食中毒を引き起こすことが判明し、世間を騒がせた。
以後、PCBに汚染された食品が食中毒を引き起こした。
それにしても悧巧な猫がいるもので、大好きな魚がPCBに汚染されている率が高いとテレビの放送を聞いて、皿の上の魚に手(前足)を出すのを止めた。
折角の鯛だったのに、残念!
と猫なりに思ったでしょう。
しかし、何故か知らないが、鯛焼きだった。
カツオ君とワカメちゃんのオヤツだったんだ。
カツオ君とワカメちゃんは、テレビの重大な放送も聞かないで、オヤツの鯛焼きを、醜く奪い合っているぞ!
猫にとって、美味しくもない鯛焼きだ。
手を出さなくて良かった。