四駒漫画(290):テレビのある光景(50)
ダービー中継より西部劇が楽しい。
文庫版38巻、昭和44年
『よその家のテレビです。テレビの前に髪を結いあげた御婦人と男の子と女の子がテレビを視ています。テレビには3頭の馬が人を乗せて走っています。男の子は楽しそうに、女の子の方を見ています』
『その部屋の窓の外にサザエさんのお父さんが現れ、その部屋の中のテレビの画面を覗き込んでいます。その内のテレビの前にも、その家のお父さんもテレビを視ていました。テレビには、人を乗せた数頭の馬が競うように走っています。外側の窓枠に肘をついたサザエさんのお父さんは、テレビ画面を覗き込みながら「きょうはどこもダービーですナ」とその家のお主人に話しかけています』
『その家のテレビの前にその家の奥さんと二人の子供はテレビ画面を夢中で視ています。テレビの画面には、まだ、人を乗せた数頭の馬が走っています。話しかけられたその家のご主人は、諦めたような顔で「よーくみてやって下さい」とテレビの画面を指差しています。窓の外のサザエさんのお父さんは、指差されたテレビの画面をじっと見ています』
『その家のお父さんは、悲しそうな顔をして「チャンネル権を握られて」と諦めているようです。サザエさんのお父さんが画面を良くみると、カウボーイが馬を降りて、手綱を持って馬を引いています。その画面を視て、サザエさんのお父さんはテレビが西部劇であることに気づき「西部劇!!」と言って視を乗りだし画面をしみじみと視ています』
サザエさんの四駒漫画です。
この頃、テレビが競馬を実況中継し、人気があったようです。
日本ダービーで、名馬ハイセイコーが絶大な人気があったようです。
だから、この漫画は、日本ダービーの中継は高い視聴率であったことを教えてくれます。
しかし、まだまだ、アメリカ映画の西部劇は、人気があったようです。
カウボーイが、馬に乗って荒野をかける姿は、魅力的でした。
競馬フアンのお父さんを除けば、家族は西部劇に魅せられていたでしょう。
チャンネル権は、お父さんには与えられません。
チャンネル権を主張する横暴なお父さんは与えられません。
視たいテレビ番組が、家族で一致することは稀です。
一致しないと、チャンネル権は誰にあるのでしょう?
不思議と、お父さんにはなく、お母さんとお子さんです。
多数決では、優しいお父さんは、引き下がるしかありません。
しかし、最近、安価で手に入る液晶テレビですと、各部屋に1台にテレビが置いてあるかもしれません。
チャンネル権の争いは、少なくなっているでしょう。
とはいえ、1台/1部屋ですから、通常、リビングまたは食堂には1台となりますから、食事しながらテレビを見せて貰える家庭では、チャンネル権の争いはあるでしょう。
子供達は、チャンネル権は獲得したものの、テレビを視ながらの食事では、食べるのが疎かになると、チャンネル権は、与えられません。
お子さんのチャンネル権が無効となり、テレビが消されてしまいます。