四駒漫画(248):テレビのある光景(8)
本屋さんの何時もの癖が出ました。
文庫版20巻、昭和33年
『テレビ・ラジオの看板がある電気屋さんの店先に大型テレビが飾ってあります。年配の店のご主人が、店を出て何処かへ走って行きます』
『お向かいの本屋さんのようです。その本屋さんの店先には、これまた年配のご主人がチリハタキを持って立っています。電気屋の御主人は、本屋さんのご主人の所に近づくと「ちょっとみせばんをたのみます」と頼んでいます。本屋のご主人は、人のよさそうな顔をして「いいですとも」と引き受けました』
『テレビでは、高校野球を中継していて、人が集まって来て、視ています。その中にカツオ君もいます。そこへ店番を頼まれた本屋のご主人がやってきました』
『本屋さんのご主人は、テレビの所に来ると、持っていたハタキでテレビの画面を盛んにはたいています。野球中継を見ていた人達は、テレビの中継がはたきで遮られ唖然としています』
サザエさんの四駒漫画です。
まだ、サザエさんの家にはテレビはないようです。
カツオ君は、高校野球の実況中継を見たくて電気屋さんの前に行きました。
何時もは、ゆっくりと視れるのに、今日は変なオジサンがテレビの画面をハタキで叩いて、視えないぞと、驚いたでしょう。
そのオジサンは、本屋のご主人でした。
そのオジサンは、人の良さそうな人ですが、何時もの癖で、ハタキで、本をはたくように、テレビの画面をはたいて、故意に視ることが出来ないようにしていたのです。
本屋のオジサンは、ハタキを持って店の中をウロウロしていることがあります。
立ち読みを、許さない意地悪なのでしょうか、癖なのでしょうか、並べた本をハタキではたいて、立ち読みを防止しています。
その様な、小規模本屋が有りました。
現在は、書店も大規模の本屋になってしまいました。
だから、書店の数も少なくなり、最寄りの駅付近に本屋さんがなく、わざわざ、遠くまで、バスに乗って出かけなければなりません。
その様な大型の書店で、書籍の万引きは多いようです、大規模書店には隠しカメラが有り、万引きに備えているようですが、巧妙な方法で万引し、被害を防止することが困難であると言われています。
万引きの現場を目撃したことが有ります。
その万引きは、お年寄りでした。
大きな紙製の手提げ袋を持っていて、並べられた本を見歩いていました。
変だなとは思いました。
そいつは、並べられた本を紙袋の中に滑り込ませるように入れました。
ハッとして見ていましたが、そいつは瞬く間にその場所から消えてしまいました。
万引きの現場を目撃して、何もできなかった瞬間でした。