四駒漫画(238)お風呂の風景(48)
あれ!久しぶりに見るサザエさん家のお風呂が、変わっている。
文庫43巻、昭和47年
『サザエさんのお父さんが、星も綺麗な、寒々とした夜の会社帰りです。ソフト帽をかぶり、防寒コートを着て、首をすくめ、「立冬むかえると冷えるなァ」と言いながら、とぼとぼと帰っています』
『家に帰り着きました。玄関を入り、帽子掛けに、帽子を掛けているところに、奥の部屋から「おフロ、わいてますよ」と声がします。お父さんは「ハイ」と応えています』
『お父さんが、タイル張りの浴槽に浸かっていると、カツオ君がお風呂の戸を開き、トックリと、盃と、酒の肴が入ったお椀をお盆に乗せて、持ってきました。そのお盆をお父さんの方に差し出し「一杯やっか」と勧めています。お父さんは、突然の出来事に眼を丸くして驚いています』
『お父さんは、お湯に浸かったまま、頭にタオルを畳んで乗せ、浴槽のふちに足を投げ出して乗せ、カツオ君が持ってきたお盆をお湯の水面に浮かべ、手酌で、トックリから盃に酒を注ぎ、鼻唄交じりに「ニクソンにない幸せ我もてり」と幸せそうな顔をして飲んでいます』
サザエさんの四駒漫画です。
47年頃の時代です。
暫く、漫画本にお風呂の風景がありませんでした、
暫くぶりに見つけました。
久しぶりに見るお風呂場は、変わっていました。
木製の風呂桶ではなく、タイル張りの浴槽に変わっていました。
サザエさんの家でも、時代に合わせて、お風呂場を改装したようです。
随分ハイカラな浴槽に変わっています。
まるで旅館のお風呂のようです。
綺麗な風呂場に変わり、お酒まで持ち込んで、お風呂を楽しめるようになっています。
カツオ君の気のきいたサービスで、お風呂でこんな事を楽しめるとは、お父さんはしみじみと幸せを感じたのでしょう。
その幸せを「ニクソン」を引き合いに出し、ニクソンに比べ自分のほうが幸せだと感じています。
ニクソンとは、アメリカ第37代大統領のことで、ドル防衛策の強行などで、国内外に動揺を与える一方、米中接近やベトナム戦争の休戦を実現させたようです。
お風呂に浸かって、お酒が飲めるお父さんの幸せ度を測るのに、ニクソン大統領が出て来るのは、どういうことでしょうか?
お父さんは、ニクソン大統領と言えども、お風呂に浸かって、手酌でお酒を飲むようなことはしなかっただろうと咄嗟に思ったのでしょう。
お父さんは、綺麗に改装されたお風呂で、息子の思わぬサービスで酒を飲めることが、相当に大きな幸せだったようです。
その幸せを、当時世界を動かし、最も多忙な人を引き合いに出して言ってみたかったのでしょう。