四駒漫画(179):列車の光景-(73)
マスオさん、それはないですよ、マナ違反だ。
文庫37、昭和43年頃
『電車の中です。電車の中は大変な混雑です。その混雑の中にマスオさんがいます。彼は、カバンと雨傘を胸にしっかりと抱え込み、立って中吊り広告を、少しそっくり返って見ています。彼の後ろには、髪にパーマをした若い娘さんがいます。マスオさんンが抱え込んでいる雨傘の曲がった手元が、娘さんのパーマの髪に当たっています。髪は乱れています。娘さんは嫌な顔をしています』
『娘さんがマスオさんに抗議しています。こんなことを言っているようです。「私のパーマしてきた髪は、シャンプとセットで800円もしたのよ、どうして呉れるの!こんなにぐしゃぐしゃにして」。マスオさんは「そりゃ高いムチャだ!!」と血相を変えて言いかえしています』
『あろうことか、マスオさんは、妻のサザエさんを引き合いに出して、「私の奥さんは、シャンプとセットで500円ですよ」と言っています。娘さんは〈何お言っているの!このオジサン〉と言わんばかりの顔をしてマスオさんを見つめています』
『電車を降りたマスオさんと娘さんは、同じ駅で降りました。マスオさんは娘さんに向かって「断固値上げと戦いましょう、健闘を祈りまーす」と捨て台詞いいながら手を振りふりふり立ち去りました。娘さんは、〈何を言ってるの、このオジサン〉と言いたそうなキョトンとした表情で見送っています』
サザエさんの四駒漫画です。
マスオさんは、会社帰りでしょう、雨は降っていませんが、会社に置きっぱなしだった傘を持って帰らなければなりません。
帰りの電車は帰宅ラッシュで混んでいます。
傘とカバンを持って混雑する電車に乗り込みました。
幸い傘は、乾いていますので、電車に乗り込んだマスオさんは、カバンと一緒に傘を胸に抱え込みました。
マスオさん駄目です、長い傘を、そんな持ち方をしたら。
周りの迷惑です。
混雑する電車の中では、乾いた傘でも周りの人に気を付けて持ちましょう。
傘の手元が、娘さんの頭に当たっているじゃありませんか!
孫が幼稚園の頃、雨の日に、二人きりで街に出かけ、帰りはバスでした。
先に乗りこんだバスに幼稚園児は、傘を乗客に当てながら空席に駆け込みました。
当てられた乗客は、駄目だよと叱っています。
どうもすみませんと謝りながら後について行きました。
バスや電車の中では傘の持ち方に気をつけねば駄目です。
昭和43年のこの頃、パーマのシャンプとセット代は、このような値段だったのは驚きです。
これでも高い値段だったようです。
娘さんは、高かったのよと言っていますし、マスオさんは、嫁は安い店に行っていると言っている位、パーマ代が高かったのです。
800円だったと言っています。現在の10分の1くらいでしょうか?
この頃、インフレでサービス業の値段も上がって行く時代だったようで。
それでも、800円です。
更に、サザエさんは、賢く、300円も安い500円の店を探してパーマをかけていたようです。
それに比べ、マスオさんは、マナが悪い。
その上、娘さんに値上げと闘いなさいとはいい気なものです。
娘さんが、パーマのセット代を弁償してください、言わなかっただけでも幸いでした。