四駒漫画(178):列車の光景-(72)
マスオさん、新婚さんに当てられて舞い上がる。
文庫37、昭和43年頃
『新幹線の列車の中です。座席は通路を挟んで3列と2列です。3列の座席は、窓際のA席が一人座りの座席、B席とC席は二人座りの座席で、窓際のA席にマスオさんが座り、B席とC席には新婚さんが座っています。二人並んで座っている新婚さんは、顔を寄せ合い仲良くしています。新夫が新婦のハンドバックの中を覗き込み楽しそうに話をしています。窓際のマスオさんは、バナナの皮をむいて食べようとしています。彼の顔の表情は二人には関心のないような素知らぬ風をしています』
『今度は、新婦が、新夫のネクタイを直しています。かなりいちゃついていて、マスオさんも当てられているようです。しかし、無関心の表情でバナナの皮をむき続けています』
『前の席に白髪でチョビヒゲの年配の紳士と、額の上の髪が相当後退し、禿げあがっている、チョビヒゲをはやした年配の紳士が座っています。白髪の紳士が後ろの席を指差して、額の上が禿げあがった紳士に「新婚がいるだろう、見ろよ!違う、となりの男だ」と笑っています。禿げあがった紳士も後ろを見て笑っています』
『振りかえつて見た席では、相変わらず新婚の二人は、いちゃついており、新夫が新婦の顔をハンカチで拭いていたりしています。隣りの席で、マスオさんが完全にあてられ、中味のバナナを左手に持ち、剥いたバナナの皮の方を、口をあんぐりと開け、食べようとしています』
サザエさんの四駒漫画です。
この頃は、新婚旅行が海外へ行くのではなく、新幹線に乗って国内の観光地を巡っていたようです。
マスオさんも、このような新婚旅行客と乗り合わせたようです。
大変な目にあいました。
新婚夫婦のいちゃつきを気にしない風をしながら、相当に気を取られていたようです。
そのいちゃつきは、前の席の年配のオジサンの気を引くほど、酷かったのでしょう。
それを見ようとしたオジサンが、隣に座っているマスオさんの異常な行動に気付いたようです。
剥いたバナナの皮を踏みつけて、こける様子を見たことはありますが、剥いた皮を食べている人を見たことはありません。
マスオさんは、素知らぬ顔をしながら相当に気が転倒していたようです。
通常は食べることがないバナナの皮のほうを食べ、実のほうを握ったままで、逆になっていますから。
若い男女のイチャイチャする様子は、確かに気になるものですが、見たいものではありません。