「四駒漫画(163):列車の光景-(57)

カツオ君の優しさでサザエさん恥をかく。


文庫28(昭和39年頃)

『電車の中です。座席は満杯のようです。サザエさんが座っています。左隣にはサラリーマン風の男性とご婦人が座っています。右隣りには、髪の毛は既に数本がもやもやと残っているだけで、しかし、立派な白い鼻髭とあごひげを、もうもうと生やしているお爺さんが座リ、その先には四角い顔をして、チョビ髭の中年のオジサンが座っています』


『サザエさんが、右隣に座っているお爺さんに、「こんやとんかつよ」と耳の傍で大きな声で言っています』


『耳の傍で言われたお爺さんは、目をまん丸くして、キョトンとしています。サザエさんも隣のお爺さんを見て目をまん丸くしています』


『カツオ君がいました。カツオ君は吊革につかまり、にやにや笑いながら立っています。サザエさんは真っ赤な顔をして、「いやだ、いつ席を譲ったの」と言っています』

サザエさんの四駒漫画です。

やっぱり、カツオ君は優しい子でした。

恐らくこういうことでしょう。

サザエさんとカツオ君が電車に乗り、並んで座った。

カツオ君は、目の前に立った、年老いたお爺さんに気づき、優しい彼は、スーツと立って席を譲ったのです。

このお爺さんのお尻は、小さく席に座れるかなーとの心配までしませんでした。

お爺さんも、当然と思ったのでしょうか、素直に、譲られた席に、静かに座ったのでしょう。

考え事をしていたサザエさんは、それに気が付かなかった。

サザエさんの考え事とは、夕飯のことだったようです。

いろいろ考えて、やっと、たどりついた夕飯のおかずが、とんかつ だった。

サザエさんは、カツオ君が隣に座っていると信じているので、思わずと「こんやとんかつよ」とお爺さんに言ってしまいました。

お爺さんは、耳の傍で突然、「こんやとんかつよ」と言われたのですから吃驚したでしょう。

カツオ君が、優しい子だったので、サザエさんは、赤面するくらいの恥をかきました。