四駒漫画(150):列車の光景-(44)
文庫19(昭和32年頃)
『路面電車が停留所に停まっています。後ろの乗降口にサザエさんが、妹のワカメちゃんと我が子のタラちゃんの二人だけを電車に乗せようと、車掌さんに頼んでいます。ワカメちゃんは、電車に乗り込み、タラちゃんは、サザエさんに抱きあげられて車掌さんに渡されています。サザエさんが「3丁目で降ろしてください」と車掌さんに頼んでいます』
『席には、カバンを持った中年のオジサンが座っています。その隣にワカメちゃんは、タラちゃんと並んで座りました。タラちゃんが、ワカメちゃんの耳に、口を寄せて、何かを言っています。中年のオジサンは、可愛いなと思っている表情で見ています』
『車掌さんが、二人を連れて運転手さんの所にやって来て、運転手さんに何ごとか言っています。運転中の運転手さんは前を向いたまま[えっ]といった顔つきです』
『次の停留所に留まった電車の降車口から、タラちゃんを抱えた車掌さんが、WCと書かれた公衆便所の方へ急いで走って行きました。ワカメちゃんがホッとした顔つきで車内に残っているのが電車の窓から見えます』
サザエさんの四駒漫画です。
のんびりとした路面電車の風景です。
幼児の二人が、二人だけで3丁目まで行くようです。
途中でタラちゃん、オシッコをしたくなった。
オシッコが出そうだと、オバサンのワカメちゃんに教えた。
オバサンと言っても、幼稚園か~1年生くらいのワカメちゃんどうしようかと困ったでしょう。
心配いりません。オバサンですから確りしています。
車掌さんに、言いました。
次に、車掌さんが困った。
路面電車にトイレはない。
車内に出しなさいとは言えない。
今度は、車掌さんが運転手さんに、子供がトイレと言った。
運転手さんが、どうするかと思ったら、公衆便所が見える停留所で止まった。
多分、あそこにトイレがある。行って来いよ。待っているから、とでも言ったでしょう。
車掌さんは、ソレツ!とタラちゃんを抱えてトイレに行きました。
六つの連係プレーがありました。
1つは、サザエさんが、幼児達の行き先を告げて車掌さんに頼む。
サザエさん、無謀過ぎます。こんな小さい子を二人きりで車掌さんに預けています。
三丁目まで行っても、その先は大丈夫でしょうか?
TV番組で「初めてのお使い」を微笑ましく見ていますが、この二人は、特に、タラちゃんは小さすぎるようです。
2番目は、タラちゃんが、ワカメちゃんにオシッコが出そうなことを伝えます。
電車に中では漏らさまいと、オバサンに伝える。タラちゃんは確りしています。
3番目と4番目は、ワカメちゃんが車掌さんに、車掌さんが運転手さんに、タラちゃんがオシッコを出しそうだと伝える。
5番目と6番目は、運転手さんが近くに公衆便所がある停留所に電車を止め、車掌さんにあそこに公衆便所があると教える。
車掌さんは、タラちゃんを抱えて公衆便所に走り込む。
以上で、路面電車に預けられた幼児が、電車の中でオシッコを出しそうになって、無事、公衆便所でオシッコをするまでを面白く描いていました。
しかし、こんな事が出来ていたのんびりした路面電車です。
昭和30年代には、あったかも知れないことでしょうか?
しかし、気がかりなのは3丁目で降ろされた幼い二人が、その後如何したかです。
余計なことですが、多分誰かが待っていて無事でした。