四駒漫画(130):列車の光景-(24)
文庫13(昭和30年頃)
『朝の通勤電車の中です。冬です。乗客は着膨れしています。ソフト帽を被ったマスオさんとベレー帽を被ったノリオサンが並んで座っています。それぞれ朝刊を読んでいます。二人は、なにかに気づき、ともに左の方を見ています』
『二人とも読んでいた朝刊を畳んで立ち上がりました。二人が座っていた席が空きました』
『左の方にいる誰かに向かって「どうぞおかけください」と二人で席を譲っています』
『声をかけられたその人は、でっぷりと太った洋装の御婦人です。御婦人は「まぁしつれいな」と頬を大きく膨らませて怒っています。その前でマスオさんとノリスケさんは、揃って、小さくなって畏まっています』
昭和30年頃のサザエさんの四駒漫画です。
電車の中です。マスオさんとノリスケさんは、同じ電車で通勤することがあるようです。
二人とも、体の不自由な人、妊婦さん、お年寄り等に席を譲る親切な大人でした。
でも、二人が、席を譲ろうと思った理由は、何処にあったんでしょうか?
この太ったご婦人が席を譲られる理由は、ないようです。
描かれた、ご婦人は、太っていますが、席を譲って貰い、座らねばならない理由は全く感じられません。
実際にあることですが、普通の一人分の席が空いている時、太った人が乗ってきたら、譲るのに、ちょっと悩みます。
この人、この空いている席に入るかな!入らないな!とか、となりの人、気を利かして少し詰めてくれないかなとか。
結局、立ち上がって、譲ることは確かにあります。
しかし、マスオさんとノリスケさんは、折角座ることが出来て朝刊を読んでいるのに、二人が、2人分の席を、太っているものの、元気そうな御婦人に、譲ることはないと思いますが。
譲られたご婦人も、勘繰ります。
まるで、お前は太っているから、俺たち二人分を譲らなければならないんだ、と言われているようで、侮辱されたと、捻くれるでしょう。
この人にこう言いたい!
太っている貴方が悪いんです。
2人分の席に座らないでください。
譲られたら、この漫画の人の様に怒ってください。
彼等は貴方をからかっているのですから。
私なら、私一人分の席では、太ったご婦人は絶対座れませんので、絶対に譲りません。連れが一緒に座っていても譲りません。
でも、優しい少年達は、直ぐ立ち上がります。確かです。見たことがあります。