昔話 (金太郎-5)

武将は、家来に馬を与え、山賊に対抗できるよう機動力と、弓矢、槍、大小の太刀を与え完全に武装させた騎馬隊を編成しました。

家来の数も山賊を越える大人数として、山賊の縄張りを走りまわり、徹底的に山賊を排除しました。

山賊のお頭:権蔵も例外ではなく、馬に跨り太刀を振って反撃しましたが、多勢に無勢、遂に取り押さえられ、後ろ手に縛られ、地面に座らされて

「勝手にしやがれ、煮るなと焼くなと好きなようにしてくれ」

と啖呵を切りましたが、サムライたちは

「この野郎、我儘なことを言いやがって、煮たり焼いたり面倒なことはしないぞ。一刀両断、貴様の首を取ってやる」

と、頸を打ちとられてしまいました。

美しい娘の父親は、こうして亡きものとなりました。

武将たちの間でも、この娘の美しさは評判となり、嫁に欲しいと言う者が出てきました。

これらの縁談話は、母親を通じて娘に伝えられました。

「娘や、お武家さまがそなたを嫁に欲しいと言って来ている。いい話ではないか、お受けしたらどうだろう」

娘は

「嫌でございます」

と一向に聞き入れる様子はありません。

「かか様には、以前お話し致しました。かか様は、その時の話を、とと様に聞かせてはならぬと仰いました。だから、あの話はあれから一切してはおりません。あの時お話したように、私は樵のお兄さまをお慕いしています。とと様はお亡くなりになりました、かか様、私の望みを叶えてやってください」

と娘は申しました。

母親は娘の切なる望みを叶えてあげようと予てから思っていました。

「沢山の縁談は、金持、地位もある方々であるが、お前は、樵の嫁でもいいと言うのかい。お前がそれほどまで言うのであれば、持ち込まれた縁談はお断りすることにしよう」

(続く)