四駒漫画(106):行列-12

文庫45(昭和48年頃)

『髷を綺麗に結い、紋付き袴に正装した関取が、大きな袋に入った節分の豆を一升枡に取って入れています。その前にお寺の和尚さんがいて「欄干から勢いよく巻いて下され」と頼んでいます』


『その関取と和尚さんのいるところに、いじ悪顔のおばさんが二人現れて、一人は髪を玉葱を乗せたように結いあげた、メガネかけた主婦の会のオバサンで、「どこの倉庫から」と攻めるように聞き、もう一人は短髪で、目鼻の作りが小さい冷たそうなオバサンです。彼女も主婦の会の婦人らしく「待った、卸値はいくらで?」と問い正しています。メガネのオバサンに、大きな腕を取られた関取は、答えようもなくキョトンとしています。和尚さんもキョトンと成り行きを見ています』


『関取の周りの主婦の会のオバサンは、更に太った和服のオバサンが加わり、短髪のオバサンに「まくなんてふけいざいだわ」と叱られています。和尚さんは何時の間にか退散して、そこにはいません』


『寺の境内の参拝階段の上です。その前に長い長い行列が出来ています。列の中ほどには係員が出て行列を整理しているような長~い行列ができています。関取は、その行列の一人一人に、5粒の豆を渡しています。並んだ人はその豆をハンカチに乗せてもらって受け取っています。和尚さんはビックリまなこで、「こんな節分はじめて」と関取の横でこぼしています』


サザエさんの4駒漫画です。

昭和48年頃の話です。

アメリカから始まったウーマンリブの波は、日本にも押し寄せ、日本女性も力強くなった時代の始まりのようです。

何時もは、ひとやかで静かなご婦人方が、主婦の会と称して集まると、強力な発言力を発揮する団体となっていました。

しかし、節分の豆まきにまで、言いがかりをつけて文句を言い、節分に集まった客を並ばせ行列を作らせ、関取に、大きな手で数粒つまませて、行列の一人一人の手のひらに乗せてあげる豆まきでした。豆まきをこのようにさせる主婦の会は横暴です。

関取!こんなことは嫌でしょう。

大きな手で、升の豆を手一杯に掴み取り、太い腕を思い切り振って投げ、播きたいでしょう。

こんなことをさせられるほど、大豆が不足した時代があったかどうかは記憶にありません。

主婦の会の[何でもやれることはやってやろう]という浅はかな行為を指摘しているのでしょう。

サザエさんの文庫版に出て来る行列を、見てきましたが、それほど沢山はありませんでした。その時代の世相を示す行列のネタは意外と少ないものでした。