四駒漫画(102):行列-8
文庫43(昭和47年頃)
『バス停です。太ったちょび髭をはやした中年過ぎの紳士風オジサン、その後に太ったメガネをかけた中年のオバサン、そして、その後にサザエさんがいる6人並んだ行列に、パンタロン風のズボンをはき、太ぶちの黒メガネで口の周りにはぼうぼうの髭を生やし、縞がらのシャツの上に毛皮のチョッキーを着た、長髪で頭にはヘアバンドを結んだヒッピー風の男がタバコを燻らしながら近づいてきました』
『この男が、タバコを手に持って、最前列の紳士風おじさんと中年のオバサンの間に割りこんできました。それを見ていたサザエさんは、カンカンに怒っています』
『さざえさんは、堪忍袋の緒が切れたのでしょう。割り込んだ男の後ろでサザエさんの前の中年のオバサンに、「奥さま、薄汚いチンピラをのさばらしておくんですか!」と怒りをぶっつけました。するとオバサンは「息子でス、タバコ買いにいってました」と平然と答えています』
『割り込んだ2番目のヒッピー風の男とその母親は、サザエさんの言い方に相当憤然としているようです。サザエさんは赤面して首をうなだれています』
サザエさんの4駒漫画です。
昭和47年頃の話です。
バスを待っている長い行列での出来事です。
ちょっとの時間だけ、順番を取って貰って、用件を済ますことはよくあることです。
前の順番の人が、一々後ろの人に、断りを入れておくことはあまりありません。
時折、前の順番に割りこんで来て、お喋りを始めることがあります。
中には数人の人が割り込み、腹が立つことがあります。
このようなことをディズニーランドの行列でよく見かけます。
長いこと待たされて、もうすぐ、順番だと思っていても、なかなか自分の順番が来ない、それが大人数の割り込みの所為だという経験はあります。
長いこと待たされていると、サザエさんの怒りはよく判ります。
しかし、サザエさんの言い方は品がなさ過ぎました。
ヒッピーのような風情の男が割り込んだ礼儀知らずとみくびったのでしょうか、男のお母さんにしてみれば、唯、そんな姿であっても、わが息子にタバコ買ってらっしゃいと並んでいただけでしょうから。