四駒漫画(100):行列-6
文庫34(昭和42年頃)
『バス停です。3人の行列でバスを待っています。先頭が大きな鞄を下げたノリスケさん、続いてハンドバックを持ったご婦人、最後がソフト帽を被って両手で新聞を大きく広げて読んでいるオジサンが並んでいます。ノリスケサンハ後ろの御婦人の方を向いて、「アノ!つかんことをお伺いしますが、お宅は和食でいらっしゃいますか」と尋ねています。ご婦人は「そうですけど」となにを突然変なことを聞いて来るんだろうと言う顔をしています』
『ノリスケさんは、続けて「お米は七分つきでしょう」と尋ねています。ご婦人はノリスケさんの顔をじっと見つめています。変な人、変な質問とでも思っているようです』
『ご婦人は、とうとう怒った表情になり、「それがどうかしまして!」と、反発してきました。ノリスケさんは申し訳なさそうに「アノ頬っぺたにご飯がついています」とご婦人の頬っぺたを指さしています』
『ノリスケさんは、「エチケットを重んじると言い方が難しい」と独り言。言いたいことを言えてホッとし、ハンカチを取り出し冷や汗を拭っています。ご婦人もまたハンカチで頬っぺたご飯粒を取って恥ずかしそうに赤面しています。3番目のオジサンは素知らぬ顔をして拡げた新聞を読んでいます』
サザエさんの4駒漫画です。
昭和42年頃の話です。
バスを待っている行列での出来事です。
人は他人にたいして無関心と言いましたが、ノリスケさんは、ご婦人に無関心ではいられなかったようです。
人ごとながら、ご婦人の頬っぺたにご飯がついているんですから、気になるでしょう。
それにしても、遠回しな聞き方でした。
頬っぺたについている一粒のご飯を、食生活、ご飯のつき方まで聞いて、指摘しようとしているんですから。
結局は「アノ頬っぺたにご飯がついています」と言うんですから、始めから、単刀直入に言ってしまった方が疲れないでしょう。
3人目のオジサンは、前に二人が何か言い合っといるのに全く素知らぬ顔です。
これこそ「人は他人にたいして無関心」であることを示してくれています。