昔話-6(かぐや姫-1)
小さい頃、昔話を読んだり聞いたりしていました。面白く楽しいものでした。
もう、それも、随分昔のことで話の中身は正確には覚えていません。
どんな話だったかな、と思いだすことにします。
かぐや姫の昔話は、度々絵本を読み、また、話を聞きました。
成長したかぐや姫が月に帰ると言う話は、UFOと結び付く壮大な話だと思います。
この話はスケールが大きくロマンに満ちているとは思いませんか。
子供の頃見た絵本の絵を鮮明に覚えています。
特に、竹の節が輝いているところ、お爺さんが竹を切ると可愛い赤ん坊が現れるところ、お姫さまに成長したかぐや姫が空飛ぶ、黒い牛に曳かれた牛車に乗って、雲が少し掛かっている月へ向かって、帰って行くところなどの絵に引きつけられていました。
さて、かぐや姫とは、如何言う意味でしょう。
かぐやとは、光り輝くものと言うのが妥当なようです。
この話は、お爺さんとお婆さんが出てきます。
しかし、この話では、意地悪とか慾張りとかのお爺さんやお婆さんは出てきません。
仲の良い老夫婦のようです。
しかし、子供が授からなかった寂さに、お婆ちゃんは、何時もお爺さんに申し訳ないと思い続けていました。
お爺さんとお婆さんは、ともに、優しく、仲の良い夫婦でした。
もう、大分年を取ってしまいました。
若い頃には、子供が欲しくてたまりませんでした。
しかし、子供に恵まれませんでした。もう諦めて、お爺さんとお婆さんは、お互いに優しく労り合って、仲良く暮らしていました。
ある春も未だ早い、暖かい日でした。
お爺さんが、お婆さんに
「お婆ちゃん、今日は温かいから裏山の竹藪にタケノコを取りにいかないか」
と誘いました。
お婆ちゃんは、
「そうだね」
と素直に、すぐ答えました。
二人は、タケノコ堀鍬と鎌と竹切り鋸を持ち、籠を背負って裏山に出かけました。
この裏山には立派に大きくなった孟宗竹が生い茂り。
昼でも薄暗いほどです。
竹藪の地面の所々を、よく見るとタケノコの先端の葉っぱが顔を出しています。
二人は、目ぼしいタケノコの先端を見つけると、その回りを鍬で掘り始めました。
掘り続けると立派なタケノコが姿を現します。
タケノコを、3本位も掘りだして籠に入れ、お爺さんは
「お婆さんや、少し日が暮れてきたからもう家に帰ろう。帰って今晩はタケノコのお刺身で一杯やろう。も帰るぞ」
と言うと籠を背負い、先に立って歩き始めました。
暫く竹藪の中を歩いているとお婆さんが
「お爺さんや、あそこの竹を見てごらん、竹の節が光り輝いているよ」
と前方の孟宗竹を指さしています。
お爺さんも節が光り輝いている孟宗竹に気づきました。
お爺さんは、その竹の輝いている節の上に、鋸で切り目を入れ、鎌でそっと切り開きました。
すると、竹の節の中に、小さい・小さい女の子が光り輝いて座っていました。
お婆さんは
「あれーっ、女の子の赤ちゃんだよ、お爺さん」
と驚きの声をあげました。
そーっと、手のひらに包み込むように取りあげ、大事そうに持ち、家に帰りました。
お爺さんとお婆さんは、その女の子を大事に、大事に育てました。
子供が欲しかったお婆さんは、特にその喜びようは大変なもので、毎日、赤ん坊から眼を放さないで、あれこれとお世話しました。
この赤ん坊は、成長が早く30日ほどで娘に成長しました。
この香しく輝くように美しい娘のことは、瞬く間に村中に知れ渡り、何時しか、この娘をかぐや姫と呼ぶようになりました。
このかぐや姫のことは、村の庄屋も知るところとなりました。
この庄屋には、未だ嫁を取っていない息子がいました。
息子は噂を聞きつけて、お爺さんの家を訪れ、娘を見てその美しさに、忽ち虜になり、父親に是非嫁に貰って欲しいと頼み込みました。
美しい娘のことを、すでに耳にしていた父親は、荷車に米俵や野菜・果物を積み、その上、小判を持って、お爺さんの家を訪ね、かぐや姫を息子の嫁に欲しいと乞いました。
お爺さんは
「娘に聞いて。ご返事致します」
と返事しました。
かぐや姫は、お爺さんから、庄屋の申し込みを聞きましたが、嫁に行く気が全くなく
「お爺様、申し訳ありませんが、お断りしてください」
と答えました。
この話は、村中の評判になり、断られた長男坊は、家を出て行方が知れなくなってしまいました。
この村に、美しいかぐや姫がいると言う噂は、京の貴族や皇族まで知れ渡りました。
時の帝には、山彦、海彦の二人の皇子が居て、二人は未だ奥方を娶っていませんでした。
二人の皇子は、香しく美しいかぐや姫を娶りたいと熱望しました。
それぞれ豪華な牛車の乗り、弓矢や槍を持ち、腰には剣を持っている武将や、足軽のお供を引き連れて、かぐや姫のいるお爺さんの家にやって来ました。