四駒漫画(67)

『新聞社のオフイスの部屋で、ノリスケさんによく似た小太りの社員が、デスクの前に座り、受話器を取り、素っ頓狂な顔をして「え!○○さんが賞を!」と叫んでいます。隣りの席の細面で髪をなであげた社員が立ち上がり、「また、賞か」と頷いています』


『この細面の社員が新聞社の表玄関から「このところ何の賞だかんの賞だとやたら出やがる」と愚痴をこぼしながら駈けだして行きました。小太りの社員は、駈けだした社員に「あの人ぁきむずかしいぞ、おめでとうを忘れるな!」と助言しています』


『立派な家の玄関先です。広い玄関の板の間には豪華な壺も飾ってあります。奥さんが頭を深く下げています。その玄関で細面の社員は、負けじとばかり、深ぶかと頭を下げ、小太りの社員の助言通り「まずはオメデトウございます」と言っています』


『≪この四駒目は、どんな絵が描いてあると思いますか≫』



サザエさんの四駒漫画です。
前回、夫婦漫才の奥さんが、夫の頭を鉄扇で殴り、旦那が失神して伸びてしまったのには、全く驚きましたが、今回も意外でした。

戦後の昭和30年代と思います。

世の中が落ちついて、ゆとりが出てきた時代の話です。

この頃から、文化、芸術、スポーツ等の功労者を、いろんな賞で表彰するようになっていたようです。

この四駒漫画の対象者も、既に、何らかの賞で表彰されていたようで、また、○○賞を受賞したと言う情報が、新聞社にもたらされたのでしょうか?

新聞社の小太りの社員は、その電話で伝えられた情報に、それ!特ダネだと言わんばかりに飛び付き、細面の社員を、急ぎインタビューウに送り出しました。

この細面の社員は、玄関先で小太りの社員に助言された通り、忘れずに先ず「おめでとうございます」と挨拶しています。

そして、その家のご主人と対面しました。

さて、○○賞とは何賞でしょう。

全く意外です。

上記の四駒目を、ここに紹介します。


『和机の前に、長髪でその髪の先端が外側にカールする癖のあるメガネをかけた先生が、憤懣やるかたがないと言わんばかりの表情で、右手の二の腕を包帯でぐるぐるに巻き、肩から三角巾でぶら下げ、その上、膝から下を、包帯で、ぐるぐる巻きにした右足を投げだしています。先生は「バスの転落だ」、これを聞いた細面の社員は、キョト~ンとして「では重傷で」と呆れています』


と言う絵が描かれた四駒目でした。

転落したバスで、手足を骨折するぐらいの「重傷」だったんです。

この重傷が、受賞とは意外でした。

最初受話器を取った小太りの社員は、「重傷」を「受賞」と、大きく間違えたのでしょうか?

「重傷」「受賞」と聞いてしまつたかもしれません。

重傷は、「じゅうしょう」

受賞は「じゅしょう」

小太りの社員は、重傷を受賞と勘違い????

受話器を通すと、あり得るかな???

それとも、この情報が、流される何処かで、重傷が、受賞になっていたのかもしれません。

元の情報が、既に「重傷」が「受賞」となっていて、小太りの社員の勘違いではなく、正しく「受賞」と聞いていたのかもしれません。

この漫画は、「情報は、正しく伝え、正しく受け取ること」と言いたかったのでしょう。