『サザエさんのお父さんの会社の部屋です。蝶ネクタイをし、刈り上げて、綺麗に分けた黒髪でチョビ髭を蓄えた同僚が、机の上に弁当を拡げ、湯のみでお茶を飲みながら、お父さんと話をしています。その同僚が「25年前、交番で借りた電車代を返しに行った人がいるそうですな」。それを。同僚の机の横に立って聞いていたお父さんは、ハッと気づいた顔つきで、頭をかきながら、舌をぺろりと出し「おぉ!そう言えば、ワシも借りたことがある」と言っています』


『100円札を持ったお父さんは、交番の前でお巡りさんと話しています。お巡りさんは「20年前、この交番で?丸山とか云う・・・・あぁ、判りました」


『お巡りさんは、[おでん]と書いた提灯が下がって、店に入口には珠のれんが下がっているおでん屋さんまで案内して来ました。お巡りさんは「今じゃおでん屋をやっています」と教えてくれました』


『お店の中の並んだテーブルの奥にあるカウンタから出てきてくれた、あたかもおでん屋のお主人だと判る、頭ツンツルテンの太った、おじいさんが、綺麗に並んだ出っぱを出して、団扇を左手にぶらさげて、にこやかな顔をして、出てきました。「電車賃は良いから、御勘定のかりを早く払って下さいよ」、お父さんは、帽子を取り、深々と頭を下げ。「ははーっ」と言っています。案内してくれたお巡りさんは、キョトンとした顔をしています』


サザエさんの四駒漫画です。

よく聞く美談でしょうか?お父さんはその美談を聞いて、あやかろうとしたようです。

そう言えば、俺も交番で子が根を借りたことがあると思いだした。

返そうと思って手にした、僅か100円の電車賃には、全く及ばない相当額の飲み代を払わねばならない状況になったようです。

成り行きは次のようなことだったんだろうと推測するしかありません。

1.お父さんが、もっと若い頃、会社帰りに飲みに行き、つい深酔いして、沢山飲んでしまった。持ち金を全部支払ってしまいました。

不足分をつけにし、店を出て駅まで行ったら、持ち金も、定期券もなく、仕方なく駅前交番に行き、電車賃を貸して下さいと言ったのでしょう。

貸してくれました、借りた金は100円です。

2.その時、交番にいたお巡りさんが丸山さんです。

丸山さんは、定年退職後、おでん屋を始めていたのです。

3.サザエさんのお父さんは、丸山さんが始めた、そのおでん屋さんに飲みにいっています。

お父さんは、お店のご主人が電車賃を借りた丸山さんと気がついていませんでした。

この店に来た時も、お父さんの悪い飲み癖は治っておらず。飲み代は不足しつけを作っていたんですね!

4.通常、物事を忘れてしまっているようことは、ままあります

お父さんは、会社に昼休みに、同僚と美談の話をしていた時は、電車賃を借りていたことを思い出しました。

多分、その代金は、交番に返せば終わりと思っていました。

5.しかし、交番で、昔お巡りさんが丸山さんで、今、おでん屋のご主人になっていたことから、話の展開がこじれてきました。

おでん屋のご主人が、まさか電車賃を借りた丸山さんだったとは。

それを知らなかったお父さんは、丸山さんのおでん屋に飲みいって行って、飲み代のつけを作っていたのです。

6.丸山さんは、電車賃を貸した人とのことは忘れてしまい、思いだすことはなかった。

おでん屋を始めてから、飲みに来ている、頭の天辺の髪の毛が1本しかなく、酒癖のわるい、飲み代のつけを作っているこの男を忘れられず、思い出したのでしょう。

溜まっている飲み代のつけを、しっかりと請求しました。

7.教訓はなんでしょう、借りたものは忘れずにすぐ返すべきことであると言うことでしょう