小さな殿様は、ママと一緒に久しぶりの病院です。

スピ-カから、小さなお殿様の名前を呼ぶ声が聞こえます。

白衣を着たオジサンの前に、ママが座らせてくれました。

お殿様は、

<このオジサン何かやるぞ>

と不安になり、得意技を出してしまいました。

オジサンは

「よしよし」

と言いました。

<良いことなんかないじゃないか>

と思うと、得意技はとまりません。

オジサンは、お殿様の体を触り、

「もう、大丈夫、走りまわって元気に遊んでいいぞー」

と頭をポンと叩きました。

<この野郎、叩くな>

と得意技で、また抗議しました。

「よしよし、もう、泣かなくても良いよ」

と言って、

「ああ、いい物を上げよう」

と小さな箱を呉れました。

<こんな物、欲しくないや>

ママが

「ありがとう」

と言って貰っている。

<もう、絶対に来ないぞ>

<僕の可愛い笑顔は、オジサンには絶対見せてやるもんか>

病院を出て、ママが呉れた小さな箱には、美味しい飴が入っていました。

<美味しいよ、ママ、僕の笑顔はママのものだよ、白いオジサンには絶対見せないぞ>

何時もの可愛い笑顔で、甘い飴を食べました。