土手のコンクリートも暑い。
這い上がって、直ぐに煮えるようなって来る。
ゆっくり昼寝なんか出来ない。
亀になった俺は、直ぐまた、ジャポーンと川の中に飛び込んでしまう。
水の中は、涼しくて良い。
ゆったりゆったりと泳ぎ回る。
俺が泳いでいても人間は騒がない。
カッパであったら、騒がれる。
亀に一体化して良かったと、亀の中の河童はしみじみと思いました。
腹が空いた。
泳ぎまわっていると小魚は一杯います。
楽しく追いかけてパックリ、パックリやるのが、何とも言えず自由だ。
だが、始終、水の中を泳ぎ回ると、矢張り疲れる。
高く伸びた松林が有り、日陰になっている土手を探して這い上がった。
暫く、休むことにしようと、頭を甲羅の中に引っ込めた。
もう、かなりの時間寝込んでいたのかな、何かが傍にいるぞと気配を感じ、目を覚ました。
「おい、カッパ」と呼びかけて来るものがいる。
目を覚ますと、ハシボソカラスが、首を捻りながら、甲羅の中を覗き込んでくる。
「ああ、お前か」
と直ぐ気がついた。
<どうして判ったんだろう、甲羅のデザインで判るようだ>
「この近所の川の様子はもう大分調べたんだろう。」
と聞いてきた。
ただ、水の中を動き回っても、自分が川のどのような位置にいるのか判らない。
「海に行きたいんだろう。少しずつ海の環境に慣れるようにしないと駄目だよ。お前がいるこの近くは、上空から見ると、まだ、海から大分遠いよ。だから、まだ下流に移動するようにしなさい」
と励まされる。
カラスは
「上から見ると、もう少し下流に行くと、ヨットが沢山係留されて並んでいる。そこら辺りまで下って、ヨットを利用して海まで、出ていく手段を考えた方が良いよ。とにかく、俺が空を飛んで行ったところ、広い海辺まではそんなに遠くはない。
上から見るとこの川は海に繋がっている。もう少し下れば海辺だよ。
前にも話したように、俺がお前を海まで案内してあげるよ、また逢うことにしよう」
と勝手に喋ると飛んで行ってしまった。
カッパ一体亀は、<そうだな、トイレの怪人が、カラスの姿で俺を見張っていてくれるから頼りにしよう。俺は、もっと海に近づいて海の水に慣れていないといけないな>と反省しました。
それにしても、トイレの怪人は、俺のことを何時までも見まもってくれるようだ、と心強く思いました。