(33)不思議なことに、鬼太郎の生きる時代は、タイムスリップあるいはタイムショートカットと言うか、彼等が存在する世界の時間的な経過は、ある時は、大きくまたは段階的に進み、今彼らは可なり、進化した世界にスリップし存在していた。
電気、水道は整備され、道路は舗装整理され、その道路の上を、自動車が走りまわっている。
電気は、原子力発電所が水力発電や火力発電に加わり、街は煌煌と光り輝き、電力を必要とする、道具、機器は、新しく優れた機能を備えた機器が豊富に出回り使用されている。ダムも各所に建設され、ほとんど水資源の不足はない。
都市では、人々が溢れ、衣食物は十分に足り、買い求める人々、飲み、食いする人々が行き来していた。
車は、道路にあふれ、自動車専用の道路まで立体的に創られ、化石燃料であるガソリンや重油を燃料としてエンジンを回し、車輪を駆動し、車を走らせていた。
これらの、運搬と移動手段である自動車の出現と進化、と電力を使用する各種の機器は、鬼太郎達が、繁殖させた動物や収穫した作物を作り、運搬し、事業を伸張・拡張させていた。
鬼太郎達の事業も、おじさんを社長、おばさんが専務、鬼太郎が取締として、50名程の社員を有する株式会社に発展していた。
このような充実した社会と会社が成長していく中で、鬼太郎は、さらに事業を拡大させるには、自らが人間として、今のままでは、何かが足りないと常々、考えていた。
鬼が島の長(おさ)と約束したのを、きっかけに、知識を学ぶための留学を決心し、おじさん、おばさんに申し出た。
おじさん・おばさん達は、
「鬼太郎、もう、年だから嫁を貰って、子供をつくり、私達と一緒に暮らしましょう」と、なかなか承諾してもらえなかった。
しかし、鬼太郎は、自分の想いを、絶対に実現するとの決心は、強く、おじさん、おばさんを説得し、留学を承諾して貰った。