(17)鬼太郎一行は、海岸に沿って延びている路を南の方向に歩いて行きました。鬼太郎は、雉に命じました。「海の向こうの方に島が見えたら教えてくれるよう」に頼みました。

雉は、飛び続けるのは疲れるので、鬼太郎が背負う籠の中で、休みながら、時折、飛び立ち、海のかなたを見まわしました。

猿は、犬のように四つ足で地面を歩きまわるのが得意ではありません。一行の歩みが速くなると、付いてゆけなくなるので、鬼太郎の籠に雉と一緒に潜り込むこともありました。

しかし、鬼太郎は、屈強な体に成長していたので、2匹が籠の中にいても、全く気にしません。鬼太郎は、2匹の役割をハッキリと決めていましたので、「役割をキチンとやってくれれば、疲れているときは籠の中にいても良いよ」と優しく言ってくれます。

海沿いの道は、断崖になっていたり、奇岩があったりし、これらに打ち当る波は、白い波頭が砕けて、粉々に散り、勇壮で美しい光景を醸しだし、足の疲労も感じないほどです。

また、きれいな波模様を、長く長く描いた白い砂浜もありました。

さらに、海のかなたに夕陽が赤く輝きながら沈んでいく様は鬼太郎にとっても、うっとりするほどでした。美しい夕陽が、海に沈むと、辺りも暗くなり、まだ残っている弁当や途中で村人に貰たり、木からもぎ取った果物を食べて、お腹を満たした後、何時ものように草を寝床にして眠りました。寒くなると犬と猿が体を寄せて温めてくれました。

(18)次の日も、海沿いの道を南の方向に歩き続けました。鬼太郎は、雉に「海のかなたに島が見えないが飛んでくれ」と命じました。

ある時、命じられた雉が「島が見えるよ」と叫びながら戻ってきました。

鬼太郎は、「そうか、遂に島に行けるところまで来た」と、安堵し、海岸まで、飛ぶように駆け寄りました。

しかし、島は、幽かにしか見えない、遠くて小さな島です。鬼太郎には、その島に仲間が住んでいるとは到底思えませんでした。それに、近くには、船も、港らしい所もありません。

鬼太郎は、あの島ではないと判断し、さらに南の方向に進む決断をしました。そして、犬・猿・雉に「皆、疲れただろう、雉が島を見つけてくれたが、俺の判断では、あの島ではない。御苦労だが、まだまだ、これから、南の方向に進むので付いてきてくれ」と頼みました。

犬達は、「あなたは、私たちに優しく、そして、楽しい旅に連れてきてくれました。まだ、一緒に参りたいので、よろしくお願いします」と揃って頭を下げて頼みました。