(15)鬼太郎は、おばさんに「御迷惑をおかけしました、お弁当と竹筒をいただきます」と丁寧にお礼を言い、犬、猿、雉にも頭をさげさせました。

それから、かれらは、鬼が島をめがけて、永いこと歩いていると、ついに海の見えるところまで来ました。

見晴らしは、素晴らしく、白い波が、さらさらと涼しげに押し寄せる海辺でした。犬と猿は、喜んで、それぞれ、大声を出しながら、走り出し、遂に押し寄せる波に向かってバチャバチャと走りこんでいきました。雉も、飛んで行き、浅い海水の中に降りると羽をパタパタと震わせながら、羽の汚れを落としています。

鬼太郎は、弁当が詰め込まれた重い籠を背負って、彼らの後を追い、急いで駈けつけました。

ひなびた田舎育ちの鬼太郎は、広々とした海を始めて見ました。駈けつけた鬼太郎は、かごを砂の上に置くと、犬達が戯れている海にザブンと飛び込みました。

はねた海の水は、鬼太郎の口の中に飛び込んできました。びっくりしました。いままで井戸の水か川の水しか飲んでいなかった鬼太郎は、水が辛いのに驚きました、飲み込んだ水は、のどを刺激し、鬼太郎はゲェツゲェツゲェツと何回もむせ返り、吐き出しました。慌てて、おばさんに貰った竹筒の水で、うがいをし、美味しい水を飲みました。おばさんの親切を大変ありがたく、感謝しました。

(16)彼らは、初めて見た海を堪能し、動き暴れ回り、疲れはててしまいました。そうなると、お腹がすいているのに気づき、おばさんに貰った弁当を皆で食べ、竹筒の水を飲むと、決まったように、眠くなりました。海辺の松林の木陰に横になりそのまま眠ってしまいました。

鬼太郎は、初めての海の匂いが堪らなく心地よく、そのまま、直ぐに、ぐっすりと寝込んでしまいました。

どれくらい眠ったでしょう、寝込んだ背中の方で、ごそごそと、何かかが蠢いています。パッと、はね起きました。もう、夜はあけ、白んでいましたので、辺りを見ることが出来ました。

 四角な奴が、8本の足で横にあるき、目を二つ飛びださせ、ハサミのようなものを、上に持ち上げ威嚇してきました。

 なんだ、この野郎と手を出すと、そのハサミのような道具で、鬼太郎の手に強くかみついてきました。

その余りにもの痛さに、思わず手を振ると、そ奴は挟んでいるハサミを鬼太郎の手に残したまま、千切れて飛んで行きました。

犬も猿も雉も鬼太郎の異常に、起きだしていました。飛んで行った、そ奴の体は、猿が素早く捕え、ガブッとかぶりつきました。ところが、猿は、それが美味しかったのか食べてしまいました。

鬼太郎も、手に食いついているハサミを取り外すと、ガブッと食いつきました。固い殻は、バリバリと音が出るほど堅く、味もありません。しかし、固い殻の中の身は、これは何と云う美味しさだろう、食べてしまいました。

こんな美味しいもの食べたことはないと味をしめ、鬼太郎は、皆でカニ(鬼太郎が始めて見た、8本の足で横にあるき、目を二つ飛びださせ、ハサミのようなもの四角な奴を以下「カニ」と言います)をとりを始めました。

カニとりでは、雉が高いところからカニを発見し、雉の指示で、猿が素早く走り寄って捕えるなど、雉と猿が、大活躍をしました。たらふく、食べました。

その日は、ほとんど半日を海辺で、貝や魚やワカメや昆布等も取り美味しく食べまたり、遊んだりして過ごしました。