ゴルビー長田作品集66 | ゴルビー長田作品集

ゴルビー長田作品集

読者が値段を決める手作り本

 

 

読者が値段を決める手作り本

ゴルビ-長田 作品集

作品の一分

週刊紙に応募その1

 

  サンデー毎日

「所変われば品変わる」と言われるように、世は様々。されど、トコロテンを一本箸で食べる地方はそうあるまい。この珍しい風習を書いて、週刊誌の公募に応募した。

 

トコロテンは一本箸で

 白虎隊で有名な会津地方ではトコロテンを食べるとき、箸を一本しか使わない風習があります。

 会津に生まれ育った私は、成人して東京に就職。故郷を離れて三十年近くなりました。全国を旅しましたが、一本箸でものを食べる風習には、ついにお目に掛かりませんでした。

 先日、久しぶりに帰郷した際、「今でも会津では、トコロテンは一本箸で食べるのだろうか?」と妻と語らいながら、思い出多い奴郎ヶ前の茶店に出掛けました。

 茶店は、会津若松市街から、東山温泉に通じる途中に、昔ながらのただずまいで営業を続けていました。青春時代に恋人同士で向かい合って座った席に、熟年の二人が座ってお互いの年輪を見つめ合っていると……。

「スミマセン、箸が一本しかないんですけど」

 若い女性の声に振り返って見ると、東京からの観光客でしょうか、綺麗なお嬢さんが、プッとふくれたような顔をしていました。

 

週刊読売

 週刊読売が、「日本語ナンセンスアップ」とのタイトル、副題が「用・用・御用だ!」。瞳をこらして、耳をすまして「へんな日本語」を探し出して下さい。と書いて原稿を募集した。

 これは「誤って使われている」。見方によっては「娯楽に使っている」とも思える、面白味のある日本語を募集している。と理解して、日ごろ気になっていたことをいくつか書いて応募した。

 

「ええと、あのう、そのう……」

 電話はプッシュだから「押す」。ワープロは「打つ」どうして?

ピアノを「叩く」、太鼓を「打つ」、琴を「弾く(はじく)」、「算盤を弾く(ひく)」ではだめでしょうね。

 編集部さまの見解をお聞かせください。

 

 ※編集部からの回答=わかりません。こんな難しい質問しないで下さい。

 

風呂はやるもの

 恥ずかしながら、わが家の話です。

「風呂を立てろ」

 と言ったら、

「理屈に合わない」

 と家人。

「焚け」というと、

 

 

 

(「いまどき、焚くものなんか売ってない」

 しからば、

「沸かせ」

 と言ったところ、

「沸かさなくたって、ひねればお湯が出る」

 言葉に詰まったので、

「やれ」と一喝したら、

「ハイ」

 と言って湯舟を洗い始めた。以来、わが家では、風呂は「やる」ものとなった。これでいいのでしょうか?

 編集部さまのご見解を乞う。

 

  ※編集部からの回答=好きにしてください。

  ※読者からも反応

  わが家では「風呂を下ろす」と言います。太陽光利用の熱水機が屋根に上がっているからです。

 

「ヨロン」に負けた「セロン」

 もうずいぶん前の話だが、「世論」を「ヨロン」と読む人がいたので、それは「セロン」と読むんだよ、と学のあるところを披露した。相手がおもしろくなさそうだったので、念のために広辞苑で確認してみた。やはり「セロン」だった。

 ところが現在では、誰も彼も「ヨロン、ヨロン」。広辞苑さえ第二版では「ヨロン」になる始末。やれやれ、いまや「世論」を「セロン」と読んでいるのは、化石人間だけなのか……。

(なお、現在《本書出版時》は、「ヨロン」も「セロン」も両方使われています)

 

とうふ納豆、ナットウは豆腐が正しい

 トウフは豆汁を箱に納めて、ニガリで固めて作る。従って「納豆」という字を当てるべきではないか。

 それに引き換え、ナットウは豆を腐らせ(発酵)て作るのであるから、「豆腐」という字を当てるのが妥当ではないだろうか。この二つの漢字、アベコベではないでしょうか。    

 

 

  ※読者からの反論

「『豆腐』と『納豆』があべこべではないか」という意見がありましたが、「腐」という漢字は、中国では本来「物が固まる」という意味があります。そうなりますと、トウフは『豆腐』で問題はないのです。

 う水を差された小生は、「だったら、『納豆』の方はどうなんだ!」と、独り毒ついております。

 

政治家の大ウソ

「政治には金がかかる」

 政治家は二言目にはこういう。だが、金がかかるのは、金の力で票を集めようと、政治家が金をばらまくからだ。 正しい日本語を使えば、

「政治家が金をかける」

 こういうことだろう。      

 

 

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ゴルビ-長田作品集の表紙

 

 

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