突然、事件が発生した。


何とも奇妙な事件だった。


いきなり、大富豪の家に電話がなった。


「人質は開放した」


親達は、子供達がいることを確認した。


次の日、「一億円、東京湾の近くの廃ビルで確認した」


次の日、子供達が行方不明になり


「人質の命を助けたいなら、一億円用意しろ!警察に連絡したら、子供達を殺す。

場所は、東京湾近くの廃ビルだ」


警察にここで通報


うちの一課の出番となった。


本当は、特殊班の出番なのだが、刑事部長直々の命令だった。


高田警視監になってから、検挙率はあがり、特殊班は、出番を失っていた。


高田警視監は、刑事部長になってから、特殊班はへまをして、刑事部長は、恥をかかされたとして激怒した。


特殊班は、お取り潰しになった。


今井は高見の前で


「高見さん、特殊班にチャンスを与えてもらうわけにはいかないんですか?」


「特殊班は、へまをやらかした。一歩間違えたら、警視総監の首もあり得たへまだ。


特殊班には任せられない。高田だけの意見じゃない。


もっと上からの圧力だ。


官房長のな。


官房長は、ミスを決して許さない。


次の警視総監の座も約束されてるしな」


「そうですか・・・・・・」


そこに官房長が現れた。


「久しぶりだな。今井、高見、相変わらず、暴走してるようだな。


だが、今井、特にお前は目立ちすぎだ。


ミスをしたら、お前を切る。


覚えておくことだ」


そう言って、捜査一課の場所から出て行った。


「ああいうことしか言えないとはな。


自分の保身しか頭にないようだ」


と高見さんは溜息をついた。


「美香子、お前にもいずれわかる。組織とはどういうものなのかはな」


間をおいて


「この面倒くさい。事件をとっとと解決させるか?


それとも、今井、お前がやるか?」


「本当に面倒くさい事件ですね。


いつもの手順と逆に動いてる。


まさに、革命を、おこしたがってる事件だ」


「こんな事件を何故起こしたんでしょう?」


「そんなの簡単だろ?ガキのいたずらだ」


高見さんは、溜息をつきながら


「あの家族を調べればわかることだ」


そして、高見さんは、この奇妙な事件をガキの仕業だと言いきった。


子供の自作自演、何故?


そして、子供達から、話しを聞くと高見さんの推理通りだった。


兄の方は、血の繋がりがなく、祖父に拒否されていた。


でも、兄弟は仲が良く、事件を遂行した。


わざと逆にすることで、祖父に圧力をかけたのだ。


そして、事務所では、一億を用意していたことを知っていたことも、吐かせた。


高見さんは、本当に凄いと思った。