清美は、赤ん坊を抱きながら、ソファーに座り、知子の話しを聞いていた。

 「ねぇ。清美、氷室恭子って何だったと思う?」

 清美は笑顔で

 「あのお父さんを、認めさせたんだから、只者ではないと思うわ。

 お母さん、それより続き・続き、お父さんの格好いいとこ聞かせてよ」

 清美は、赤ん坊に

 「お祖父ちゃんの格好いい話し聞きたいよねぇ?」

 と聞くと赤ん坊は笑った。あまりにタイミングが、良かったので笑ってしまった。

 「もしかして、話してることわかったりして」

 なんて笑いながら話してると、知子は、呆れたように 

 「そんなわけないでしょ。まったく」

 知子は、話を再び始めた。

 俺は中一になった。

 氷室恭子は、相変わらずだ。

 そんな時、俺にとって運命の人間がやってきた。

 田原信玄といった。

 信玄は、全員が、びっくりするほどの美男子だった。

 信玄は、知子の隣に座り

 「初めまして、よろしく」

 知子は笑顔で

 「よろしく。田原君」

 「信玄て呼んでくれよ。栗岡さん」

 「わかったよ。信玄君、いや、信ちゃんじゃ駄目かな?」

 「別にいいよ。栗岡さんに言われるなら・・・・・・」

 そう言って笑顔で信玄は笑った。

 そして、知子に話しをするために、博士の家に一緒に行った。

 「やあ、博士。今日は、珍しい人を連れてきたよ」

 博士は知子を見ると、突然、後ろから、俺が入ってくるのを見て

 俺は信玄を睨みつけて

 「まさか、初日から口説くつもりじゃないだろうな?」

 信玄は苦笑いしながら

 「口説くつもりなら、博士のところに来るわけないだろ?

 ここに連れてきた事が、口説く気はない証拠だよ。

 睨むなって。五人のリーダーだから、
心配するのもわかるけどさ」

 「じゃあ、知子をここに連れて来たのは何でだ?」

 「簡単だよ。
博士の研究を手伝ってもらうためだよ。

 理系は既に教授クラスの実力を持つ、栗岡さんならさ」

 知子は笑みを浮かべて

 「何の研究を手伝ってほしいの?」

 「未来に行く研究だよ。

 栗岡さんと高島の二人が、俺と共に研究に関われば、三年あれば完成する」

 俺も知子も驚愕した。

 「博士、本当なのか?」

 博士は笑いながら

 「あと、恭子ちゃんがいれば完成するよ」

 そこに、氷室恭子が現れた。

 「やっぱり、ここにいたか。

 田原、知子が誰の孫娘かわかってて言ってんの?

 松山家を敵にまわすつもり?

 あなたの人生を握り潰すなんて、簡単なのよ。

 いや、栗岡陽二さんでも可能でしょうね?

 それでも、あんたは、知子を巻き込むの?」

 「恭子さん、俺は未来からやってきたんだ!

 未来を変えないと助けられる人を助けられない」

 恭子は、信玄の胸ぐらを掴み

 「馬鹿か!あんたは!

 そんな事しなくたっていいの。

 世の中には、平等なんてないんだから。

 それに必要なのは、私という存在が
いること。

 それで、十分でしょ?」

 俺はそんなことより信玄にたずねた。

 「お前、未来から来たのか?」

 「ああ、俺の大事な姉ちゃんと博士の二人が、完成させたんだ。

 過去に行くことは、だからできるようになったということさ。

 最も、高島が研究を進めてくれてたからなんだけどな」

 俺は大笑いして

 「つくり話しもそこまでいくと笑えるぜ。

 行くぞ。知子」

 「わかった」

 こうして、二人で去った。

 「信玄とかいう人、未来からきたお前の息子なんじゃないか?」

 「私もそう思う」

 と平然と答えたことに俺は驚いた。

 知子は、完成させれると思ってるのかもしれない。