私達が、上島病院に行くと二人の人物が、偶然にも病院の前にいた。
一人は首相になったばかりの高野首相。
私は高野のあまりに淀んだ目に恐怖を感じた。
おそらく、裏世界で生きてきた男。
もう一人は、小山事務次官である。
高野は私達を見て
「君達はここの学生かな?」
私は何故、首相がここにいるのか疑問に思いながら
「はい。明日から研修なんです。
それで今日は、挨拶にきたんです」
高野は笑みを浮かべて
「そうか。君達が、小山君が期待する将来の看護婦のHOPEか。
君達に看護婦の未来がかかってる。
頑張ってくれたまえ」
私達は頷いて
「頑張ります」
と言った後
「小山次官、何故、ここにいらっしゃるんですか?」
「首相と共に野暮用があってな。
ま、頑張れ。
田島にちゃんと言ってある」
私達は頷き
「わかりました」
首相は何故か、私の目をジーっと見ていた。
そして、そのまま二人で行ってしまった。
美紀は冷や汗をかいていた。
「どうしたの?」
美紀は冷静になり
「なんでもないよ。挨拶に行こう」
そのまま逃げるように、急ぎ歩きで行ってしまった。
美紀が隠し事か・・・・・・。
相手が、首相なら言えるわけないか。
私も向かった。
助教授室に行き
田島先生は笑顔で迎えてくれた。
「よく来た。小山次官から、話しは聞いてる。
ここで、吸収すべきことを吸収していきなさい」
そして、次の日から、妹の面倒を見るように丁寧に外科・心理学を含めたことを教えてくれた。
実際にオペの助手として、参加させてもらった。
やはり、凄かった。
でも、アレクサンダー教授の腕を見てる私達にとっては、驚くほどではなかったが、教授のような豪快なオペではなく、無駄な動きがなく、速いオペを見せてくれた。
私達はさすがだと思った。
美紀にとってもそれは、同じだったらしく、子供の頃の事故以来、自分を引っ張ってくれる兄がほしかったのだ。
それだけに田島先生の存在が、美紀は嬉しかったのだ。
国谷先生じゃ、さすがに雲の上の人すぎて、いくら美紀でも兄のように思うのは無理がある。
何せ次期、アレクサンダー教授の後継者と言われるほどの人だ。
次元が違いすぎる。
だから、田島先生クラスが、兄として見るのは丁度いいというわけだ。
それに田島先生は、美紀を官僚の娘としてではなく、一人の人間として見てくれてる。
それが、余計に美紀は嬉しいのだろう。
美紀も当然だが、偉大な父のプレッシャーと戦ってきた。
そして、実の兄の人生も背負ってきた。
だから、嬉しいのだ。
田島先生のような存在は。
私は美紀にはっきり言った。
「美紀、私は何があろうとあなたの味方だからね。
世の中、誰だって苦しみを抱えてる。
私達に、これから多くの救いを求めてる患者達は、もっと辛く苦しんでるんだからね。
私達は、それに向き合わなければならない。
だから、強くならないとね。
私達を待ってる患者がいる限りね」
美紀は涙を流して頷いた。
「恵里、ありがとう。
一生、私の親友でいてね」
私はガッチリ美紀の両手を掴んで
「当たり前でしょ?
私達以上の最高の親友なんているわけないでしょ?」
私はそう言ってウインクした。
美紀はとうとう泣きながら、私に抱きついてきた。
私は美紀の頭を撫でながら、美紀の全てを包み込んであげた。
沖田の死は、より美紀に精神的ダメージを与えていた。
だからこそ、美紀の好きな歴史に浸り、観光地をまわったのだ。
美紀の心を救うために。
美紀は、全てを理解して私だからこそ何の遠慮もなく、語り続けたのだ。
私と美紀の親友としての絆はますます深まった。
一人は首相になったばかりの高野首相。
私は高野のあまりに淀んだ目に恐怖を感じた。
おそらく、裏世界で生きてきた男。
もう一人は、小山事務次官である。
高野は私達を見て
「君達はここの学生かな?」
私は何故、首相がここにいるのか疑問に思いながら
「はい。明日から研修なんです。
それで今日は、挨拶にきたんです」
高野は笑みを浮かべて
「そうか。君達が、小山君が期待する将来の看護婦のHOPEか。
君達に看護婦の未来がかかってる。
頑張ってくれたまえ」
私達は頷いて
「頑張ります」
と言った後
「小山次官、何故、ここにいらっしゃるんですか?」
「首相と共に野暮用があってな。
ま、頑張れ。
田島にちゃんと言ってある」
私達は頷き
「わかりました」
首相は何故か、私の目をジーっと見ていた。
そして、そのまま二人で行ってしまった。
美紀は冷や汗をかいていた。
「どうしたの?」
美紀は冷静になり
「なんでもないよ。挨拶に行こう」
そのまま逃げるように、急ぎ歩きで行ってしまった。
美紀が隠し事か・・・・・・。
相手が、首相なら言えるわけないか。
私も向かった。
助教授室に行き
田島先生は笑顔で迎えてくれた。
「よく来た。小山次官から、話しは聞いてる。
ここで、吸収すべきことを吸収していきなさい」
そして、次の日から、妹の面倒を見るように丁寧に外科・心理学を含めたことを教えてくれた。
実際にオペの助手として、参加させてもらった。
やはり、凄かった。
でも、アレクサンダー教授の腕を見てる私達にとっては、驚くほどではなかったが、教授のような豪快なオペではなく、無駄な動きがなく、速いオペを見せてくれた。
私達はさすがだと思った。
美紀にとってもそれは、同じだったらしく、子供の頃の事故以来、自分を引っ張ってくれる兄がほしかったのだ。
それだけに田島先生の存在が、美紀は嬉しかったのだ。
国谷先生じゃ、さすがに雲の上の人すぎて、いくら美紀でも兄のように思うのは無理がある。
何せ次期、アレクサンダー教授の後継者と言われるほどの人だ。
次元が違いすぎる。
だから、田島先生クラスが、兄として見るのは丁度いいというわけだ。
それに田島先生は、美紀を官僚の娘としてではなく、一人の人間として見てくれてる。
それが、余計に美紀は嬉しいのだろう。
美紀も当然だが、偉大な父のプレッシャーと戦ってきた。
そして、実の兄の人生も背負ってきた。
だから、嬉しいのだ。
田島先生のような存在は。
私は美紀にはっきり言った。
「美紀、私は何があろうとあなたの味方だからね。
世の中、誰だって苦しみを抱えてる。
私達に、これから多くの救いを求めてる患者達は、もっと辛く苦しんでるんだからね。
私達は、それに向き合わなければならない。
だから、強くならないとね。
私達を待ってる患者がいる限りね」
美紀は涙を流して頷いた。
「恵里、ありがとう。
一生、私の親友でいてね」
私はガッチリ美紀の両手を掴んで
「当たり前でしょ?
私達以上の最高の親友なんているわけないでしょ?」
私はそう言ってウインクした。
美紀はとうとう泣きながら、私に抱きついてきた。
私は美紀の頭を撫でながら、美紀の全てを包み込んであげた。
沖田の死は、より美紀に精神的ダメージを与えていた。
だからこそ、美紀の好きな歴史に浸り、観光地をまわったのだ。
美紀の心を救うために。
美紀は、全てを理解して私だからこそ何の遠慮もなく、語り続けたのだ。
私と美紀の親友としての絆はますます深まった。