そして、桜ちゃんへの俺達からの贈り物が用意できた後
笛子が、妊娠していることがわかった。
杏ちゃんの夢によると、桜ちゃんの生まれ変わりが、俺の次女として生まれるんだったな。
と思いながら俺は、言った。
「まるで桜ちゃんが、授けてくれたみたいだな。」
と。
そして、桜ちゃんの容態は急変して家族全員が病院に集まった。
桜ちゃんは、皆の顔を見て言う。
「こんなふうに皆が、集まってくれるなんて、病気も悪くないね。」
笛子は、取り乱す。
桜ちゃんは言う。
「冬吾さん、ハンカチ持っとらんの?」
「ああ。」
「それくらい持っとらんと、いつでも笛姉ちゃんの涙が拭けるように。」
「杏姉ちゃん、幸せになってね。
これからも、色んな人を幸せにしてあげて。」
杏ちゃんは、泣きながら頷く。
「勇ちゃん、」と声をかけると
勇太郎は言う。
「俺は、笛姉ちゃんと杏姉ちゃん、二人を助けていくで。
心配するな。」
「叔母さん、」
「わかっとるよ。何にも言わんでいい。
叔母さんに任しとき。」
多分、一番絶望の中にいる叔母さんは、そう言った。
だが、心の中では順番が逆だ。
早すぎると、誰よりも思っていただろう。
そして、桜ちゃんは達彦に言った。
「達彦さん」
「もういいよ。もう何にも喋るなよ。
明日、明日話そう。」
「今、言わんと言えん気がするで。」
「桜子・・・。」
桜ちゃんが「君が音楽を忘れない限り」と言うと
達彦がそれを遮るように続ける
「君の中に生き続ける。」
「私は、音楽の中に生き続ける。
達彦さんと輝一と一緒に。
輝一に言って。寂しくなったらピアノを弾いてみれって。
それと、あのノート渡してあげて。」
達彦は、ノートを持って
「これだろ。お前が渡すんだろ?
輝一が大きくなったら。」
「達彦さん、私ちっとも寂しくないよ。」
達彦は泣きながら、「桜子・・・。」
「私は、音楽の中におるから。」
桜ちゃんは、目を瞑った。
だが、桜ちゃんの贈り物である輝一の映像を桜ちゃんに見せるため、輝一の名を出して桜ちゃんを呼ぶと桜ちゃんは、目を再び開け、輝一の映像を手を伸ばしながら観る。
そして、桜ちゃんはそのまま亡くなった。
享年27歳、俺は皆の見てる前では決して泣かなかった。それは、桜ちゃんとの別れはすでにすんでいるから、そして、これから桜ちゃん無しで生きていくためには特に笛子と達彦の前では、泣くわけにはいかない。
俺が、家族を守るという桜ちゃんに対する意思表示のためだからだ。
そして、何より桜ちゃんは自分のために誰かが苦しむ姿など望まないからだ。
だから、俺は耐える事が桜ちゃんへの意思表示だと思ったのだ。
それにもうすぐ、桜ちゃんの生まれ変わりが生まれてくる。
そうなれば、今度は恋愛の対象から最愛の娘として愛情を注げばいいと考えていたからだ。
桜ちゃんの輝一宛のノートには、こう書かれていた。
輝一っちゃん元気ですか。
ひもじい思いはしていませんか。お父さん、おばさん、おじさん、あなたの周りの人たちも元気ですか。
お母さんはあなたを抱いて育てることはできません。
そして、あなたが物心つく頃にはきっとこの世界からいなくなっていることでしょう。
お母さんの人生は、人から見れば、あっけなくて、つまらない、さびしいものにうつるかもしれません。
あんたもそう思うかもしれんね。
ほいでもね。ちがうんだよ。
お母さんは十分に生きた。十分に輝いた。
お母さんの人生には素敵なことが山のようにあった。
その中でも一番素敵なことは、あなたのお父さんに出会えたこと、そしてあなたに出会えたことです。
意味のない人生なんてない。
輝きのない人生なんてない。
さみしいときはピアノを弾いてごらん。
輝一っちゃん、お母さんはそこにおる。
ほら、お母さんはあなたのそばにおるよ。
すなわち、桜ちゃんは輝一を生み、そして、その人生を伝えるための人生だったという事だ。
そして、輝一に自分の分まで生きて一番に輝いてほしいという願いが込められているのだ。
桜ちゃんの作曲した曲は大反響を呼び
桜ちゃんの事を良く知ってる今や日本一のサックス奏者になった秋山と西園寺先生が、組んで演奏した。
桜ちゃんの曲を、世の中に残すために。
その後、次女の由紀子が生まれた。
由紀子は、何から何まで桜ちゃんにそっくりだった。
由紀子の成長を見ていると、桜ちゃんがまるで俺の娘として復活してくれたように感じた。
俺は、誰よりも可愛がって育てたため由紀子は、子供の頃から俺にベッタリだった。
俺は、桜ちゃんの死後、日本一の画家として生涯を生き、桜ちゃんとの約束通り最後まで家族を守った。
達彦は、桜ちゃんへの愛を生涯に渡って貫き、輝一に音楽の楽しさ・何より母である桜ちゃんの人生を語って聞かせた。
桜ちゃんによって才能を開花した亨は、盲目の天才ピアニストとしてデビューし、いつも誰よりも尊敬する桜ちゃんの写真を持って「これが僕の御守りだよ。」と言っている。
デビュー後の、インタビューではこう答えた。
「僕の音楽人生が、あるのは私の叔母である、結核で亡くならなければ、日本を代表する音楽家になっていた松井桜子に音楽家としての才能を見い出されたからです。」
と答えている。
亨は、輝一を本当の弟のように可愛がった。
亨は、その後の新聞の記事で大きな見出しで
盲目の天才ピアニスト杉亨、その父の名は日本一の画家杉冬吾!
と。
そして、桜ちゃんの忘れ形見輝一は、家族の誰からも愛され、俺も本当の息子同然に可愛がった。
桜ちゃんの人生を、家族全員に教えられ、俺に人生の決断で悩んだ時聞いてきた。
「伯父さん、僕、今迷ってるんです。
母さんが、大事にしてきたものは音楽だけじゃありません。
山長を守る事も一理としていました。
山長では、本物の味噌の味に戻ってからあまり年月も経っていません。
母さんなら、こんな時どうしたと思いますか?」
俺は、輝一に笑顔で言った。
「桜ちゃんなら、間違いなく自分の好きな道に進み夢を叶えろと言うはずだ。
桜ちゃんは、何よりも輝一君の幸せを考えていた。
両親の夢を、君の手で実現させろ。
それが、何よりの親孝行だ。
君は、俺達家族の夢何だ。
桜ちゃんが、生きていたら成したはず以上の事を君は成し遂げるんだ。
君には、天才ピアニスト二人の才能が受け継いでいるんだからな。」
輝一は、両親の意志を継ぎ世界一のピアニストとして大成した。
これでこそ、桜ちゃんが命を捨ててまで産んだ甲斐があるというものだ。
輝一は、桜ちゃんのノートを御守りとしていつも持ち歩いた。
そして、由紀子は人を心の奥底から楽しませる天性の才能と絶対音感、そして、編曲の才能・作曲の才能・ジャズの才能を持ち、どこまでも前向きな性格は、そして、容姿は桜ちゃんに生き写しだった。
由紀子は、天才ジャズピアニストとして才能を開花させ、ジャズの新たな時代を築く立役者となった。
世界を又にかけて、人々にジャズで夢や希望を与えながら由紀子は活躍した。
俺は、思い出す。桜ちゃんが言った「音楽を忘れない限り私は、音楽の中に生き続ける。」
この言葉は、俺達家族の合言葉となり、桜ちゃんは、俺達の心の中に一生生き続けた。
亨・輝一・由紀子が、ピアノを弾く度に俺達家族の中に桜ちゃんを思い出させてくれた。
ちなみに、加寿子は芸術を世界に広め、世界と日本の繋がりを強くし、貧しい国の人々に初の女性首相として芸術を提供できる場をもった。
それは、戦争を通じて加寿子が思った事は、どんなに辛い状況にあっても芸術には人に夢や希望・元気を与えられるということだ。
加寿子は、桜ちゃんのジャズを聴いてその度に元気になった子供の頃の事は一生忘れないと言っていた。
完
正直、杉冬吾ストーリーを書いてて思った事は、やはり終盤になるほど書くのが難しくなったという事です。
その一番の理由は、桜子の死についてです。
はっきり言った話し、何故桜子をあそこで死なせる必要があるのか理解できないためです。
NHkでは生死不明と言われていますが、純情きらり最終話を観ているとオープニングで四姉弟の音符があります。
最後の場面では、桜子の音符だけが天高く上がっていった。
そして、ノートに書かれてた「いつも側におるよ。」の後にこのシーンがあったために決定的になったということですね、そして、最終話では、マサの語りが無かった、すなわちマサから桜子へ、その位置が変わったという事です。
つまりは、本当は純情きらりは桜子を語りとして使えばより完璧な作品となったという事ですね。
桜子の人生を、桜子自身の手で最愛の息子輝一に伝える。
そして、まだ見ぬ子へ(きらり)純情きらりのオープニングがより人を感動させるというわけです。
話し戻って、一話で書いた通り、杉冬吾ストーリーは純情きらりの影の主役の冬吾と純情きらり主人公の桜子の物語です。
もちろん、純情きらりを観ていて冬吾に対して別の主観を持って観ている方も当然いるとは思いますが、そして、冬吾の人生とは何かと考えると本当に深いものがあります。そして、桜子と冬吾の関係も又難しいんですよね。だから、賛否両論分かれるんですけどね。
正直、冬吾に関しては一回純情きらりを観たくらいで理解できるキャラではありません。
誰よりも難しいと感じるのが、冬吾です。
でも、こういうふうに考えると全てが一本につながると私は思います。
だからこそ、あえて挑戦してみたのですがいかがだったでしょうか?
一応、私としては一話・九話・三十一話・三十八話・四十三話・四十四話が力作だと思っています。
ちなみに、もし輝一の映像を桜子が観た所で終わっていたなら桜子生死不明でいいんですけどね。
とりあえず、私は、桜子が輝一の映像を見て生きる気力を取り戻し、秋山がアメリカから手に入れた特効薬で桜子の結核が治ったという設定で2010年六月~七月に桜子が生きていたらシリーズを第二部まで書いています。
良ければお読み下さい。
アメリカでは、1943年には結核の特効薬ができてたんですよね。
ちなみに、日本では1951年まで待たなければなりません。
だから、桜子はあと三年待たなければならないわけです。
あともう一つ私としては、桜子と冬吾に一緒になって欲しかったという気持ちがあります。
そうすれば、二人共に芸術の高見に達することができたと思うんですよね。
それに、お互いをここまで理解しあってる二人というのも他にはいません。
それに何より、桜子があそこまで苦しむ必要がなかったということと、散々苦しんだあげくに最後は死んでしまうのなら尚更です。
冬吾と一緒になっていれば、とっくに桜子は花を咲かしていたはずですからね。
笛子が、妊娠していることがわかった。
杏ちゃんの夢によると、桜ちゃんの生まれ変わりが、俺の次女として生まれるんだったな。
と思いながら俺は、言った。
「まるで桜ちゃんが、授けてくれたみたいだな。」
と。
そして、桜ちゃんの容態は急変して家族全員が病院に集まった。
桜ちゃんは、皆の顔を見て言う。
「こんなふうに皆が、集まってくれるなんて、病気も悪くないね。」
笛子は、取り乱す。
桜ちゃんは言う。
「冬吾さん、ハンカチ持っとらんの?」
「ああ。」
「それくらい持っとらんと、いつでも笛姉ちゃんの涙が拭けるように。」
「杏姉ちゃん、幸せになってね。
これからも、色んな人を幸せにしてあげて。」
杏ちゃんは、泣きながら頷く。
「勇ちゃん、」と声をかけると
勇太郎は言う。
「俺は、笛姉ちゃんと杏姉ちゃん、二人を助けていくで。
心配するな。」
「叔母さん、」
「わかっとるよ。何にも言わんでいい。
叔母さんに任しとき。」
多分、一番絶望の中にいる叔母さんは、そう言った。
だが、心の中では順番が逆だ。
早すぎると、誰よりも思っていただろう。
そして、桜ちゃんは達彦に言った。
「達彦さん」
「もういいよ。もう何にも喋るなよ。
明日、明日話そう。」
「今、言わんと言えん気がするで。」
「桜子・・・。」
桜ちゃんが「君が音楽を忘れない限り」と言うと
達彦がそれを遮るように続ける
「君の中に生き続ける。」
「私は、音楽の中に生き続ける。
達彦さんと輝一と一緒に。
輝一に言って。寂しくなったらピアノを弾いてみれって。
それと、あのノート渡してあげて。」
達彦は、ノートを持って
「これだろ。お前が渡すんだろ?
輝一が大きくなったら。」
「達彦さん、私ちっとも寂しくないよ。」
達彦は泣きながら、「桜子・・・。」
「私は、音楽の中におるから。」
桜ちゃんは、目を瞑った。
だが、桜ちゃんの贈り物である輝一の映像を桜ちゃんに見せるため、輝一の名を出して桜ちゃんを呼ぶと桜ちゃんは、目を再び開け、輝一の映像を手を伸ばしながら観る。
そして、桜ちゃんはそのまま亡くなった。
享年27歳、俺は皆の見てる前では決して泣かなかった。それは、桜ちゃんとの別れはすでにすんでいるから、そして、これから桜ちゃん無しで生きていくためには特に笛子と達彦の前では、泣くわけにはいかない。
俺が、家族を守るという桜ちゃんに対する意思表示のためだからだ。
そして、何より桜ちゃんは自分のために誰かが苦しむ姿など望まないからだ。
だから、俺は耐える事が桜ちゃんへの意思表示だと思ったのだ。
それにもうすぐ、桜ちゃんの生まれ変わりが生まれてくる。
そうなれば、今度は恋愛の対象から最愛の娘として愛情を注げばいいと考えていたからだ。
桜ちゃんの輝一宛のノートには、こう書かれていた。
輝一っちゃん元気ですか。
ひもじい思いはしていませんか。お父さん、おばさん、おじさん、あなたの周りの人たちも元気ですか。
お母さんはあなたを抱いて育てることはできません。
そして、あなたが物心つく頃にはきっとこの世界からいなくなっていることでしょう。
お母さんの人生は、人から見れば、あっけなくて、つまらない、さびしいものにうつるかもしれません。
あんたもそう思うかもしれんね。
ほいでもね。ちがうんだよ。
お母さんは十分に生きた。十分に輝いた。
お母さんの人生には素敵なことが山のようにあった。
その中でも一番素敵なことは、あなたのお父さんに出会えたこと、そしてあなたに出会えたことです。
意味のない人生なんてない。
輝きのない人生なんてない。
さみしいときはピアノを弾いてごらん。
輝一っちゃん、お母さんはそこにおる。
ほら、お母さんはあなたのそばにおるよ。
すなわち、桜ちゃんは輝一を生み、そして、その人生を伝えるための人生だったという事だ。
そして、輝一に自分の分まで生きて一番に輝いてほしいという願いが込められているのだ。
桜ちゃんの作曲した曲は大反響を呼び
桜ちゃんの事を良く知ってる今や日本一のサックス奏者になった秋山と西園寺先生が、組んで演奏した。
桜ちゃんの曲を、世の中に残すために。
その後、次女の由紀子が生まれた。
由紀子は、何から何まで桜ちゃんにそっくりだった。
由紀子の成長を見ていると、桜ちゃんがまるで俺の娘として復活してくれたように感じた。
俺は、誰よりも可愛がって育てたため由紀子は、子供の頃から俺にベッタリだった。
俺は、桜ちゃんの死後、日本一の画家として生涯を生き、桜ちゃんとの約束通り最後まで家族を守った。
達彦は、桜ちゃんへの愛を生涯に渡って貫き、輝一に音楽の楽しさ・何より母である桜ちゃんの人生を語って聞かせた。
桜ちゃんによって才能を開花した亨は、盲目の天才ピアニストとしてデビューし、いつも誰よりも尊敬する桜ちゃんの写真を持って「これが僕の御守りだよ。」と言っている。
デビュー後の、インタビューではこう答えた。
「僕の音楽人生が、あるのは私の叔母である、結核で亡くならなければ、日本を代表する音楽家になっていた松井桜子に音楽家としての才能を見い出されたからです。」
と答えている。
亨は、輝一を本当の弟のように可愛がった。
亨は、その後の新聞の記事で大きな見出しで
盲目の天才ピアニスト杉亨、その父の名は日本一の画家杉冬吾!
と。
そして、桜ちゃんの忘れ形見輝一は、家族の誰からも愛され、俺も本当の息子同然に可愛がった。
桜ちゃんの人生を、家族全員に教えられ、俺に人生の決断で悩んだ時聞いてきた。
「伯父さん、僕、今迷ってるんです。
母さんが、大事にしてきたものは音楽だけじゃありません。
山長を守る事も一理としていました。
山長では、本物の味噌の味に戻ってからあまり年月も経っていません。
母さんなら、こんな時どうしたと思いますか?」
俺は、輝一に笑顔で言った。
「桜ちゃんなら、間違いなく自分の好きな道に進み夢を叶えろと言うはずだ。
桜ちゃんは、何よりも輝一君の幸せを考えていた。
両親の夢を、君の手で実現させろ。
それが、何よりの親孝行だ。
君は、俺達家族の夢何だ。
桜ちゃんが、生きていたら成したはず以上の事を君は成し遂げるんだ。
君には、天才ピアニスト二人の才能が受け継いでいるんだからな。」
輝一は、両親の意志を継ぎ世界一のピアニストとして大成した。
これでこそ、桜ちゃんが命を捨ててまで産んだ甲斐があるというものだ。
輝一は、桜ちゃんのノートを御守りとしていつも持ち歩いた。
そして、由紀子は人を心の奥底から楽しませる天性の才能と絶対音感、そして、編曲の才能・作曲の才能・ジャズの才能を持ち、どこまでも前向きな性格は、そして、容姿は桜ちゃんに生き写しだった。
由紀子は、天才ジャズピアニストとして才能を開花させ、ジャズの新たな時代を築く立役者となった。
世界を又にかけて、人々にジャズで夢や希望を与えながら由紀子は活躍した。
俺は、思い出す。桜ちゃんが言った「音楽を忘れない限り私は、音楽の中に生き続ける。」
この言葉は、俺達家族の合言葉となり、桜ちゃんは、俺達の心の中に一生生き続けた。
亨・輝一・由紀子が、ピアノを弾く度に俺達家族の中に桜ちゃんを思い出させてくれた。
ちなみに、加寿子は芸術を世界に広め、世界と日本の繋がりを強くし、貧しい国の人々に初の女性首相として芸術を提供できる場をもった。
それは、戦争を通じて加寿子が思った事は、どんなに辛い状況にあっても芸術には人に夢や希望・元気を与えられるということだ。
加寿子は、桜ちゃんのジャズを聴いてその度に元気になった子供の頃の事は一生忘れないと言っていた。
完
正直、杉冬吾ストーリーを書いてて思った事は、やはり終盤になるほど書くのが難しくなったという事です。
その一番の理由は、桜子の死についてです。
はっきり言った話し、何故桜子をあそこで死なせる必要があるのか理解できないためです。
NHkでは生死不明と言われていますが、純情きらり最終話を観ているとオープニングで四姉弟の音符があります。
最後の場面では、桜子の音符だけが天高く上がっていった。
そして、ノートに書かれてた「いつも側におるよ。」の後にこのシーンがあったために決定的になったということですね、そして、最終話では、マサの語りが無かった、すなわちマサから桜子へ、その位置が変わったという事です。
つまりは、本当は純情きらりは桜子を語りとして使えばより完璧な作品となったという事ですね。
桜子の人生を、桜子自身の手で最愛の息子輝一に伝える。
そして、まだ見ぬ子へ(きらり)純情きらりのオープニングがより人を感動させるというわけです。
話し戻って、一話で書いた通り、杉冬吾ストーリーは純情きらりの影の主役の冬吾と純情きらり主人公の桜子の物語です。
もちろん、純情きらりを観ていて冬吾に対して別の主観を持って観ている方も当然いるとは思いますが、そして、冬吾の人生とは何かと考えると本当に深いものがあります。そして、桜子と冬吾の関係も又難しいんですよね。だから、賛否両論分かれるんですけどね。
正直、冬吾に関しては一回純情きらりを観たくらいで理解できるキャラではありません。
誰よりも難しいと感じるのが、冬吾です。
でも、こういうふうに考えると全てが一本につながると私は思います。
だからこそ、あえて挑戦してみたのですがいかがだったでしょうか?
一応、私としては一話・九話・三十一話・三十八話・四十三話・四十四話が力作だと思っています。
ちなみに、もし輝一の映像を桜子が観た所で終わっていたなら桜子生死不明でいいんですけどね。
とりあえず、私は、桜子が輝一の映像を見て生きる気力を取り戻し、秋山がアメリカから手に入れた特効薬で桜子の結核が治ったという設定で2010年六月~七月に桜子が生きていたらシリーズを第二部まで書いています。
良ければお読み下さい。
アメリカでは、1943年には結核の特効薬ができてたんですよね。
ちなみに、日本では1951年まで待たなければなりません。
だから、桜子はあと三年待たなければならないわけです。
あともう一つ私としては、桜子と冬吾に一緒になって欲しかったという気持ちがあります。
そうすれば、二人共に芸術の高見に達することができたと思うんですよね。
それに、お互いをここまで理解しあってる二人というのも他にはいません。
それに何より、桜子があそこまで苦しむ必要がなかったということと、散々苦しんだあげくに最後は死んでしまうのなら尚更です。
冬吾と一緒になっていれば、とっくに桜子は花を咲かしていたはずですからね。