私の首もとには、
『傷』がある。
まだまだ傷は消えない。
何気に行った健康診断で発見。
触診で約2センチ強…
何時からあるのかは解らない。
言われた時は、頭ん中真っ白。
でも精密検査を受けてからじゃないと
良性か悪性か解らないと。
それから、すぐに検査の予約を
入れて貰い、採血、超音波、しこりに直接針を射して細胞採取など受け、
病名を知る……
『乳頭癌』
幸いにもステージ1の性質大人しい癌、
進行遅い癌。
自覚症状も無し。
甲状腺癌の中でも一番多い癌。
でも癌には変わりないので
一気にテンション下がる。
入院前、社長が何か欲しいもんあれば
持っていく!と言うのでケーキを
リクエスト。
入院初日、子供達は泣き崩れ
見送る私も涙。
入院当日、不安にさいなまれるも
腹をくくってオペに臨む。
入院翌日、まだ頭はボーッとしている。
ベットに横たわり、鏡を見ると
かなり生々しい傷口。
傷口は、縫い目もわかる様なセロテープみたいな物でペタリ。
ガーゼ交換も要らない…。
旦那が見舞いに来るも、私のベットで
寝るばかり。
当の私は、椅子に座るか院内散歩。
悲しい現実。
私の場合、意外にもしこりが大きく、
また回りのリンパにかなりの転移が見られたらしく、オペ時間もかなりかかり、
傷跡も大きい。
入院中5日間は、傷口横に管が射してあり
そこから溜まる血液を外に出す。
首からかけたポシェットに血液が溜まって
いく…。
あれから、一年再発もなく
経過は良好。
それでもあと4年は定期検診がある。
採血や超音波検査。
今はまだ傷口は目立つものの
綺麗になってきた。
その傷を人差し指で撫でる彼。
"大分、目立たんようになってきた。よー見てもらえよ!"
そうね。
私が入院した時に社長と
お見舞いに来た彼。
ケーキ沢山、ブドウ片手に。
お互いに今を想像出来ないまま。
その時は、お互い言葉を交わさず
社長と話をした記憶がある。
帰り際"ありがとうございました"
ただそれだけ。
それから3ヶ月後、
付き合いが始まり、
彼も2か月後に眼睫下垂で手術、入院。
私も彼の傷口を撫でる。
本当の傷口から、心の傷まで。
お互いに撫で合う。
でもこの関係がバレた時、
傷は………。
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