「「あっ」」
私とひろの大好きなバンドのライブへ行く電車へ2人で乗り込む時、2人で50音の一番はじめを吐き出した。
その後顔を見合わせて2人で少し乾いた笑いを出した。
『記憶の鍵』
ライブの事で頭が一杯だった私たちは、お祭りの事など頭の隅にも入っていなかった。その日は街の結構大きめな祭りの日で、電車の中には彩り豊かな浴衣姿の人たちが既に祭り独特の高揚感に包まれていた。
赤、青、黒、水色、桃色。
「なんで、赤とか青は色の名前なのに水色や桃色には色としての個の名前がつけられなかったんだろ」
私のぼんやりとした呟きを拾って、ひろは電車の天井をちらりと見上げてすぐにこちらに向き直った。
「解りやすくて良いじゃん」
「でも、水も桃も色んな色味があるじゃん。私が見た水は、ひろが見た水と同じ色とは限らないょ」
「ま、そーだわな」
あっという間に電車は、お祭りへ向かう人たちとライブへ向かう私たちを街へ運んで行った。
「あー!最高だったね!!」
「あの曲やってくれるとは、感動したなぁ!」
ライブの興奮覚めやらない中、ライブハウスを出て街を歩いて行く。するとすぐに屋台やら浴衣やら、ライブ会場の外も今日は非日常的な空気が漂っている。
「ちょっと見ていく?」
ひろの問いかけに小さく頷く。
何軒もの屋台が道に沿って綺麗に横並びし、その前を隙間なく人が埋め尽くし行き交っている。人が多過ぎて食べ物を物色する余裕もない。
「ちょ、脇道に逃げよう」
直様屋台の並ぶ大通りから細い脇道へとそれる。其処には同じく人混みから逃れて来たであろう一家揃って浴衣姿の家族がいた。
お父さん、お母さん、お姉ちゃん、男の子。
「和服って大体の着丈さえ抑えたら、体型が変わっても着れるからすごいよね。昔の日本人って物を大切にする考え方が上手だったんだなー」
私のぼんやりとした呟きを拾って、ひろは盛大に吹き出し、そして笑った。
いきなり笑だしたひろを驚いて見ていると笑を止められないままで手を頭に置いて来た。撫でられるのとはちょっと違うやつ。
「何拗ねてんだょ」
その言葉に何が?と少し不機嫌気味に声にせず問いかけるとくしゃりと頭をかき回し手を外していく。
「浴衣、着たかった?」
浴衣姿の人じっと見ては、浴衣自体の事は頑なに話題にしないくせに変な事ばっか口にしてる。興味は浴衣とは別にあるんですよーって口で主張するくせに、目はずっと浴衣気にしてる。変な拗ね方するのな。
未だに笑いが収まらない様子のひろの言葉に図星を言い当てられて押し黙る。頭から外された手が私の手をいつの間にかひいていた。
「だって、浴衣は特別じゃん」
浴衣を着ると、あの夏を思い出す。私とひろに恋心を気づかせた、あの夏。何年経っても、忘れそうになっても、見ればきっとあの時の記憶を呼び起こす。
きっと私の言いたい事は大方検討がついてるのであろう、ひろはゆっくり頷きながら目を伏せる。きっと彼もまた、少し奥に収められていた記憶を取り出しているのだろう。
「花火は浴衣でこないとな」
「ライブとか他の事に気がいって日にち忘れないといいね」
笑いながら、今日ライブで聴いた曲を聴く度に、その日の興奮を思い出すと共に、今の会話も思い出すんだろうなと思う。
一緒に過ごし、思い出を重ねる度に、記憶を呼び覚ます何かが生まれる。これからも、そうゆう物を一つ一つ2人で増やしていきたい。
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なぁーんかイマイチな妄想
久々に妄想を字にしてみて
楽しいんだが鈍ってる
頭の中では全米が泣いちゃう
大ストーリーが駆け巡ってるのに
何だか陳腐陳腐ちちんぷいぷいだわ
てか、ちちんぷいぷいってナニモノ?
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