さて、2022年10月の相模湾流についてみてみましょう。
まずは、黒潮のふるまいから。
9月末に南側ゲートへ移動した黒潮ですが、7日頃に黒潮大蛇行下の定位置とされる北側ゲートへ戻りました。
南側ゲートを通過した日数は12日間でした。この事象は、それほど長く続かないのが特徴です。
次はワジオとカシマジオの流入日数と率について。
(流入時間/24)
ワジオ 8.3日 27%
カシマジオ 5.0日 16%
その他 15.1日 49%
欠損データ 2.6日 8%
ワジオは筋目の10日を下まわりました。なかなか好調は続かないもんです。
次は黒潮流路と相模湾流の関係について。
北側ゲートにおけるワジオの流入率は20%。対して南側ゲートのそれは66%です。
北側ゲートのワジオ流入率は黒潮大蛇行下だと30%台なので、10月の流入率は低すぎます。
対して南側ゲートはいい感じです。
次は、潮まわりごとにみる各潮の流入日数です。
ワジオは大潮以外に流入しました。大潮ファンには残念な結果になりました。
次は、曜日ごとにみる各潮の流入日数です。
ワジオは火曜日以外に流入しました。カシマジオはその火曜日に多く流入しました。
次は、時刻ごとの流入率をみてみましょう。
ワジオのゴールデンタイムは8時~10時です。
カシマジオは午後から流入し始めることが多いですが、10月は午前中から立ち上がってます。
次は、ワジオが流入した潮まわりと時刻をみてみましょう。
ワジオの最多流入は大潮後の中潮の4日目です。ご覧のように大潮は空っぽです。
次は、流速を見てみましょう。観測ポイントは真鶴の三ツ石沖です。
ワジオは0.3~0.6ノットにピークがきました。1ノット前後の潮も見られます。
次は、時刻とワジオの流速について見てみましょう。
観測ポイントは真鶴の三ツ石沖です。
10月も先月に続き、0.5ノットから1ノットの潮は正午ころに流入してます。
冬場ならメジナが喰いそうですが、まだシーズンには早いですね。
次は、潮流と海水温についてみてみましょう。
観測ポイントは海水温が江の浦沖で、流速は三ツ石沖です。
前半は7日を境にワジオからカシマジオに変わりました。
要因は黒潮が通過するゲートです。南側ゲートのときはワジオ優位、北側ゲートのときはカシマジオ優位となりました。
黒潮の水温が低下するたびに、沿岸の水温も低下してきています。
次はワジオ モメンタムについてみてみましょう。
9月と10月は黒潮が南側ゲートを通過したおかげで、なんとか日数が増えました。
今年もあと2か月です。年末に向けてどうなるか気になるところです。
最後に円グラフで各潮の流入率についてみてみます。
9月末に南側ゲートへ移動した黒潮は、12日間で定位置の北側ゲートへ戻りました。過去のデータからも黒潮大蛇行下の南側ゲートは短期間で終わります。
海流の本によると、黒潮本流の流量が増えると、冷水渦が東へ押し流され黒潮は南側ゲートへ移動します。この時点でさらに流量が増えると冷水渦はもっと東へ押し流され、それに伴い黒潮大蛇行は終息するそうです。
今回は北側ゲートへ戻ったので、黒潮流量がまた低下したものと思われます。
わたくしが行く釣り場(相模湾、伊豆方面)は、南側ゲートになるとワジオ(上り潮)の流入が増えるので、釣りに好都合なんです。できることなら北側ゲートと南側ゲートの通過率が逆転してほしいと思ってますが、悲しいかな自然は釣り人の都合には合わせてくれません。よって、黒潮大蛇行下においては、南側ゲートのワジオ(上り潮)に照準を合わせておく必要があります。