午前10時25分、支線の始発駅を出発した。席は空いていたが、乗り換え駅まで座らずに行く。立ち上がる時、ウッウ~❗ と腰に痛みが走り、腰を押さえて悶絶するからだ。

 Nさんとお会いするのを中止にしたかったが、呑む気満々のNさんのラインを見て、そうもいかなくなり、また、明日から仕事なので、その予行演習も兼ねて、無理して出かけることにした。

 乗り換え駅で急行を待ち、仕方なく今度は座った。座る時はどうもないが、問題は立ち上がる時だ。覚悟して座った。

 天候はあまりよくない。窓外の景色を見て、腰痛を紛らそうとするが、終着駅が近付くと、ドキドキだ。

 梅田駅に着き、慎重にゆっくり腰を上げる。かわいいお尻(自己申告)をそっと上げたとたん、ヒ、ヒエーッ、腰にズキンとした痛みを感じて、端正な眉(自己申告)が歪む。「ウォーッ」と叫びかけて、その言葉を飲み込む(恥ずかしい)。ヨロヨロと立ち上がり、四股を踏む要領で足を踏ん張る。「残った、残った、ハッケヨイ」。 ヘロヘロした歩きで大阪駅を目指す。人が多い。歩きスマホの女性が私に向かって突進してくる。あわやというところでかわす。その瞬間、腰が「ズキン」だ。またもや「ヒ、ヒエーッ」、叫びかけて寸でで口を抑える。歩きスマホはやめよう。やめてほしい。


 JR環状線で天満駅に行く。もちろん立ったままだ。座ると危険。

 天満駅に着くと午前11時15分。30分の待ち合わせだから待つのは15分、そう思っていたら、Nさんがやって来たのは12時少し前、腰痛に45分立ちっぱなしは辛い。改札口で座り込みそうになるのを必死でこらえる。これも試練だ、試練だと自らを叱咤激励。Nさんと会うのは半年ぶり、時間にルーズだったことを忘れていた。


 駅近くの居酒屋「八銭」に入り、生ビールを2杯、QRコードで注文する。唐揚げ、チャーシュー、メンマ、鶏串、枝豆、その他諸々を注文。Nさんは生ビール2杯目、続いてハイボール、もひとつハイボールを注文。Nさんは私よりよく呑む。私も負けじとハイボールを注文するが、それが精一杯。競馬の話と仕事の話(Nさんは似顔絵マンガ家)、愚痴を聞いた後、一時間チョイで店を出ることにした。

 椅子から立ち上がる時、一苦労した。痛みをこらえて拳を固め、演歌を歌うようなしぐさでごまかし、ヨロヨロと立ち上がった。Nさんはすでに外に出て、私の悲惨な様子を目撃していない。支払いを済ませ(3650円)、店を出て、Nさんとお別れする。


 いつもなら、この後、一人で散策するのだが、腰痛の今日はそれが出来ない。まっすぐ大阪駅に行き、何度かグキッ、ヒェーッ、バキバキ、ウォーッと悲鳴を上げながら、それでも二枚目のふりして(自己申告)、帰宅の途を急ぐ。今日は作品づくりができそうにない。明日までにこの腰痛を改善しなければ。私の長い1日はまだ